びっくらこいたなあ。
12時間前に出したブログの内容が、すでに違うものになってしまうという事態。
まずは状況の整理
会談の内容などについては、ほとんど推測なので話半分で。
今回の衆院選は、民進党からの離党者が相次ぎ、ますますまとまりに欠けることもあり、野党連合ができたとしても自公政権を倒すにはほど遠い。改憲勢力が3分の2を維持する可能性が高い。
9月24日夜、前原・小沢会談
おそらく、ここで「オリーブの木」構想の打ち合わせを行う。
9月26日夜、前原・小池会談
合流の可能性の検討を行う。
9月27日
『希望の党』結党
若狭議員が立ち上げた「日本ファーストの会」はリセットされ、小池都知事が代表の『希望の党』となった。
前原さんと小池さんは日本新党結党時の仲間。こんな記事もある。
小池百合子氏の“意中の人”は日本ファーストの若狭勝氏ではなく、前原誠司氏?(AERAdot)
「前原氏が民進党を解党したら、小池氏は前原さんにつくでしょう。そこに民進をすでに離党した細野豪志元環境相や長島昭久元防衛副大臣らがくっつく。若狭さんに国政政党を作って展開する資金力がないことが分かっているが、民進にはありますから」(旧民主党閣僚経験者)。
9月上旬の段階では、お互いに腹の探り合い的なところもあったものの、なんとなく気持ちは繋がってきていたと考えられる。
そして今日、
民進・前原氏、希望との合流提案へ 連合執行部は容認(朝日新聞)
前原氏は26日夜、東京都内で小池氏と会談。衆院選で野党候補が乱立すれば与党を利する結果になりかねないとして、両党の選挙協力の必要性を伝えた。新たに政治団体をつくり、両党の候補者が結集して戦う方法などを提案し、小池氏も理解を示したとされる。
「政権交代によって安倍政権を終わらせる」というただ一点の目標に向かって、野党の大連立を実現するということなんでしょう。
今後はどうなっていくのか
いろんな報道を組み合わせると、
- 民進党は公認を立てず、希望の党公認を目指す(小池氏は「選別を行う」と発言)
- 前原氏は無所属で立候補する(誤報説もあり)
- 希望の党、民進党、自由党で比例区統一名簿を作成する
- 共産党にも協力を呼びかける
- 希望の党の政策は、野党が乗りやすいものを全面に出す
こんなところかな。
比例区について軽く説明すると、衆議院の比例区は「拘束名簿式」といいます。各政党が比例代表の候補者に順位を付けて名簿を提出し、その順位の上の方から当選していきます。衆議院の比例区の場合は、政党名を書き、その得票数によって各政党の当選者数が決まります。
選挙区と比例区で立候補(重複立候補)していた場合、選挙区で落選したとしても、同じ順位内では「惜敗率」という「どれだけ当選者に迫ったか」という割合が大きい方が当選します。これを「比例復活」と言います。
なんでこんなことをするかというと、衆議院が小選挙区制となっていて、ひとつの選挙区ではひとりしか受からない。そのために、惜しくも敗れてしまった候補者に託された民意も吸えるようにしようという救済措置なのだ。
統一名簿にするのは、各政党でバラバラに名簿を出していては無駄が多いから。政党の得票数を「ドント式」という方法で議席を配分していくときに、政党がバラけていると無駄が多くなりもったいない。さらに統一した方が有権者にアピールしやすくもなる。ただし、これを行うには、政策的に近い党同士でないと、「選挙互助会」とか「野合」とかの批判を受けることになる。
今回は政権交代のための大芝居
政権交代するためには、衆議院で過半数の議席を取らなければならない。そのために、まずは選挙区で1対1に持ち込んで勝つ、そして比例区で自公よりも多くの当選者を出すということが求められる。
現在の自民党の強さと民進党の弱さでは、しばらく(10年以上?)は政権交代のチャンスは無い。しかし、「小池新党」の登場によって、一気に政権交代できる可能性が出てきた、というのが現状なのです。
ところが問題もあり、まず実務的なことで言うと、たとえば「民進党」で準備してきた候補予定者は、いきなり「希望の党」に印刷物から何から変えなければならない。しかも公認が取れなければ無所属で出るしかなくなる。
これから発表される政策と自分が主張する政策に違いがあると、矛盾点としてマイナスになる。それほど違いのある政策は出してこないと思われるけど、たとえば憲法問題に関することや外交・防衛に関する政策で食い違いが出るおそれはある。踏み絵を踏まされることになる。
小池氏の衆院選出馬の可能性
おそらく小池さんは都知事を辞任し、衆院選に立候補するでしょう。そうでないと、「政権を担う」というアピールがポーズだけになってしまうので。本人は否定していたけど。野党で300人以上の候補者を立てられそうだったら考えるでしょうね。そして、その見通しはすでに出来ているはず。
昨年の都知事選を見ると、自ら「背水の陣」にして崖っぷちに立ち、大声援を受けながらうっちゃりで投げ飛ばすのが小池さんのスタイル。であれば、今回も自らが初の女性首相を目指して背水の陣を敷き、メディアと国民の関心をグッとひきつけ、「安倍vs小池」の構図を作って劇場型選挙で一気に勝ちに行く戦略だというのは想像がつく。
となると都知事選挙も行われることになる。衆院選と投票日を揃えるのであれば、告示は10月5日。とても現実的では無いけど、すでに準備を始めているとしたら…
はたして思惑どおりに行くんだろうか。
小沢さんの構想がベースにあり、おそらく10日前には当人たちも予想していなかった「オリーブの木」構想のもとでの大合流。そして小泉純一郎元総理の部分的参加。
小沢、前原、小泉と、みんな小池さんにゆかりのある人たちが演者となる、誰も予想できなかった大逆転劇。
私も小池さんのことは「胡散臭い」とか「信用できない」と言ってきたけど、まさかここまでやるとは。胡散臭さはまだ感じるけど、今回の選挙で政権交代の可能性があるとしたら、この大連合しかないと思う。
安倍さんがこれを阻止するには、土壇場で解散を取りやめるか、大連合が崩れるのを期待するか仕掛けるしか無い。
悩むのは「アベ政治を終わりにしたい」有権者。「絶対に小池だけは信用しない」と言っている人も多そう。まだまだ我慢するか、とりあえず突然降って湧いたチャンスにかけてみるか。
ここ数日は毎日が劇場となって、一ヶ月後には結果が出ている。
一気に国民にとっても重要な選挙となった。