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水曜の朝午前8時 選挙

新潟県知事選挙で見えたネット選挙の大問題・・・『サイバー・ガーディアン・エンジェル』を!『サイバー・ワイルド7』でも良いから【水曜の朝、午前8時】

投稿日:2018年6月27日 更新日:

前回の投稿から3週間経ってしまった・・・トホホ

なんていうか、6割ほど書いてから、公平な立場でまとめようとすればするほど悩んでしまい、書けなくなってしまった。そうこうしているうちに選挙期間中の公選法違反疑惑が出てきて、「これも取り上げなければ」と考えていたら、Hagexさんの殺害事件が起きてしまって、もうどこをどう取り上げたら良いかわからなくなった。

このままでは、また半年とか開いてしまうので、やはり最初に書き置きたかったことを書くことにします。

新潟県知事選挙を振り返って

新潟県知事選挙は、既報のとおり、自公が推す花角英世氏が当選し、野党推薦の池田ちかこ氏は惜敗した。

花角英世(60) 支持:自公 元海上保安庁次長
元新潟県副知事
546,670票 得票率:49.6%
池田千賀子(57) 推薦:立民・国民・共産・自由・社民 元新潟県議会議員
元新潟県柏崎市議会議員
509,568票 得票率:46.2%
安中聡(40) 元新潟県五泉市議会議員
元派遣社員
45,628票 得票率:4.1%

私は、選挙が始まってから池田千賀子陣営のネットチームのサポートをしており、東京から選挙の行方を見ていた。なので、これから書く内容は、若干池田氏側に寄っているであろうことを予め断っておきます。

花角氏の勝因、池田氏の敗因に関しては概ねネット上に出ているとおりで、中には「違うだろう」と思えるものもあるけれど、その指摘を始めると兵庫県知事選挙のときのように連載風になってしまうので、ここでは触れず、ネットに関することだけにしておく。ひとつだけ、誰も言えないこととして公明党票の強さがあるが、今回の選挙を見ていても、今後自民党は学会票を手放せないことがよく分かる。投票日当日になってからまとめて動かせる票なんて無いもんね。

ネット上の死闘

インターネットに関しては、両陣営とも心がすり減るような戦いだったと思う。池田ちかこ陣営のネットチームは、ボランティアで集まってきた人たちであって、何らかの指示のもとに動いていたわけではないので、日々トライ&エラーの連続だった。県知事選挙のような大きな選挙を経験したことのない人が多かったので、特にネット上の攻撃に対しては胃がキリキリする思いだっただろう。

池田ちかこ陣営のネット戦略で、私が及ぶ部分について決めていたことがある。それは「決してネガティブキャンペーンはしない」ということだ。これにはデマを流さないということも入る。こう書くと「花角氏へのデマが流されていたじゃないか」という人がいるだろうけど、それは表面的にしか見えていない。

選挙期間中、花角氏が隠していた経歴に関して、本人が森友学園問題に関わっていたかのようなデマを流していた人もいたようだ。別に隠さなけりゃいいのに。池田氏に対しては、『拉致被害者はいないと論文に書いた』とか『週刊誌にゴシップが出る』というようなデマがまことしやかに流された。拉致問題に関しては、デマを流した本人が、散々拡散されたあとに選挙直前に謝罪して当該投稿を削除したが、何日もデマ情報が放っておかれたことへの批判が相次いだ。とはいえ、この件はきちんと謝罪しただけ、まだ誠実だと言える。

さらに、公選法違反への指摘が、陣営や候補者が指示したかのような投稿も見られた。選挙期間中は、ある程度対応は可能だったが、特にデマ情報への対応は労力や時間の無駄であり、「やったもん勝ち」のようなところもあるので、今回のようにかなり悪質で激しいデマのような場合は、選挙が終わってからでも告発して刑に問えるようにしなければならない。

「新潟県知事選 公選法違反」で検索すると、山のように出てくる。私にしてみれば、この件が最も悪質だったと思われるが、受け取り方は人それぞれだ。

池田氏の知事選妨害」 支援者ら、花角氏団体幹部を告発 /新潟

10日に投開票された知事選期間中に、野党系候補の池田千賀子氏(落選)を中傷する発言をし選挙活動を妨害したとして、池田氏の支援者の女性(46)ら8人が22日、当選した花角英世氏を支援した確認団体の代表代行の男性(57)を公職選挙法違反の疑いで県警に告発した。女性によると県警は告発状を受理したという。

これは花角陣営の幹部が意図的に流したデマなので、他のものとは質が異なる。私は「このタイミングで文春が不倫ネタを突っ込んでくるとしたら、よほどちゃんとウラを取ったはずだけど、本人が完全否定している状態で流すとは考えにくい」と言っていたのだけれど、「選挙が終わってから出るという噂もある」と、陣営内に動揺が伝わっていたことは否定できない。

柏崎市立保育園の女性保育士が、池田氏を応援するポスターを作る際に園児に手形を付けさせた問題は、公選法違反だとして市長が謝罪し大きなニュースになった。とはいえ、これに関しては陣営が公選法違反として裁かれることは無いでしょう。多少選挙をかじった人ならわかることだ。ところが、ネトウヨ系のサイトを中心に、山のように「選挙違反だ」ということばが踊っていた。

新潟県知事選での野党候補の公職選挙法違反を追求しないマスコミは如何なものか(井戸端会議・瓦版)

6月10日に投開票が行われた新潟県知事選挙で公職選挙法違反がありました。

その件に対する懲戒処分が行われたと毎日新聞が報じていますが、不正に対する追求があまりに静かなのか奇妙なことと言えるでしょう。「野党系候補の陣営による不正行為は世間に知られないように極力小さく扱う」との “裏マニュアル” が存在するでしょうか。

このブログは比較的理路整然と書かれているので、他のしょうもないものに比べると説得力もある。おそらく高い文章力を持った人が書いているのでしょう。

しかし、この手のサイトは、池田氏への悪質なデマを取り上げて「選挙違反だ!」ということは100%無い。それなのに、「野党候補の公職選挙法違反を追求しないマスコミ」て書いてもなあ。産経や読売、毎日までもしっかり記事にしていましたよ。片方向しか見えなくなっている。

今年行われる沖縄県知事選挙でも同じことが起きる。まだ翁長知事は出馬をどうするか表明していないが、名護市長選挙でも見られたような手法に加えて、野党系はネットでもかなり苦戦を強いられることになる。

しかし、私が最も問題だと思ったのは次のことだ。

選挙当日の明らかな公選法違反

6月10日の投票日当日に、公然と候補者名を入れて批判しているツイートを多く見かけた。

以下のツイートはほんの一部。

などなど。

他に、池田候補を応援する中にも、リツートやシェアをする人が見られた。

上記の湯川れい子さんのツイート(9日早々に投稿)に関しては、9日夜に謝罪したものの、10日の投票日当日もかなり拡散され続けた。

湯川さんのツイート内容は問題あるし、謝罪の後のツイートも良くなかった。関係者は「何でこのタイミングでやってくれちゃうかなあ」と頭を抱えたことでしょう。だから、頭に血が上る人の気持はわかる。

しかし、私がここで問題にしたいのは、投票日当日にこれらのようなツイートが流れまくっていたことだ。

その数が僅かであれば影響はほぼゼロだと言えるだろうし、現実的には「イイね!」くらいではいちいち公選法違反に問われることは無いだろう。

その点に関してはこのサイトが良くまとめられている。

投票日に公職選挙法違反となるネット活動(はてな村定点観測所)

以前に公職選挙法違反の不思議な世界という記事を書きましたが、投票日は選挙運動期間外であるという点にも注意が必要です。選挙運動期間は告示日から投票日の前日までです。投票日当日に「○○候補に投票しよう」「○○党に投票しよう」と呼びかけたら選挙違反となります。これは立候補者だけではなく、有権者も同じです。

公選法上は、投票日当日の選挙運動が禁止されていて、それはネットも同じ。しかし、ネットで行われている「選挙運動もどき」のようなものは、よほど大掛かりなものや陣営が絡むもの以外は摘発されることは無く、日曜日だということもあって、そのまま投票が終わってしまうことになる。

だからといって放っておいても良いものなのかどうか。

今回のような接戦において、たとえば投票日当日のTwitter上が、ネガティブキャンペーンのような投稿で埋められてしまったとしたら。選挙結果に影響しないとも言い切れない。それよりも、公選法の意味がなくなってしまう。

『サイバー・ガーディアン・エンジェル』や『サイバー・ワイルド7』を

そこで、以前から主張している『サイバー・ガーディアン・エンジェル』の立ち上げが求められるわけです。別に『ガーディアン・エンジェル』でなくて、国産ということで『サイバー・ワイルド7』でも良いかも。

とはいえ、誰がやるのか。

「言い出しっぺのお前がやれ」と言われそうだけど、私は「選挙は手伝わない」というポリシーだとはいえ、どちらかに肩入れすることもあるし、公平という点では甚だ不適格だと言える。

やはり明推協(公益財団法人 明るい選挙推進協会)のような公平な機関か、総務省がやるのが一番でしょう。しかしそうなると「ガーディアン・エンジェル」ではないし、「国の機関は政権与党に近いから公平とは言えない」と言う人も出てきそう。それを言い始めたら何も進まないので、多少思想的に偏っていいる人が関わるとしても、手順は公にしてほとんど機械的に進められるようにすれば良いのではないか。将来的にはAIがほとんどすべてを担うとか。

せっかく解禁されたネット選挙運動が、公選法違反だらけの気分の悪い情報の海にならないよう、日本の民主主義を健全に発展させていくためにも、誰かがやらなければならない。

最近、何か憂鬱な気持ちを抱えてしまっているのは、この件があるからかもしれない。

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