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兵庫県知事選挙 勝谷誠彦

勝谷誠彦の兵庫県知事選挙 その7 最後に

投稿日:2017年8月3日 更新日:

まだまだ書きたいことはいろいろあるけれど、あんまり振り返ってばかりいてもしょうがないので、ひとまずここで打ち切りにしようと思います。あ、8月9日に「64万人の魂 兵庫知事選記」が西日本出版より発売されますので、そのあたりで「おまけ」を出す予定です。

愚痴のような選挙総括

まず、今回の勝負について。
当然、勝つつもりでやっていたし、確かに追い上げてはいて、一時期並んだというのも間違いではない。相手陣営に「このままでは負ける」と思わせ、最終的には組織票にしてやられたわけだけど、それではどうやったら勝てたかと考えても、正直なところなかなか秘策が思い浮かびません。

外野からは(内部からも)、「橋下を呼ぶべきだ」「小池知事を呼んだほうが良い」「芸能人は応援に来てくれないのか」「もっとスタッフを増やしたほうが良い」「どぶ板をやらないと負ける」「維新に推薦出してもらったほうが良い」「自民党を崩すべきだ」「選挙を知っている人を事務局の中心に置くべきだ」「電話かけは必ずやるべき」「とにかく勝谷の頭を黒く染め直せ」などなど、本当にいい加減なアドバイスをしたり顔で言ってくる人がいて、辟易しました。そんなことは最初から検討していて、有権者463万人の選挙を、候補者入れて実質3人でまわしているわけです。外野でワーワー言っているんだったら、ポスターや証紙の1枚でも貼ってくれよ。ハガキの宛名書きでも何でも良いから、まずは自分の身体を動かしてくれ、と思っていました。

だいたい、「***すべきだ」という人は、ほとんど思いつきなので、詳細を考えていない。もし芸能人を呼ぶとしても、吉本に電話すれば来てもらえると思っているわけです。こちらのスタッフは?交通手段は?宿泊は必要?どこにどんな形で参加してもらうのか、など全く想像すらしない。そもそも吉本が選挙応援に芸人を出さないということすら知らない。

そんなのが、毎日アドバイスしてくる。事務局長で入って欲しいと思っていた人も私にアドバイスしてくるので、「いや、それをあなたに頼みたいんだけど」となるのです。中には、以前ある選挙で泡沫で出て供託金没収となった人が突然事務所に来て「勝谷さんに、私のようにならないようにアドバイスしたい」などと言ってくる。丁重にお帰り願いましたが。

今回も、結果から見ると「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」というのは思い浮かびます。しかし、それはすべて結果論。
たとえば、途中で出馬をやめずに、自民党推薦をもらえたら良かったのか。白髪の短髪でサングラス姿で通したら良かったのか。もっと早くから準備して、全市町を二回りしたら良かったのか。事務局長や各チームリーダーがいたら良かったのか・・・。確かに多少は上乗せできるかもしれないけど、自民党推薦をもらうことで、無党派や維新票が逃げることも考えられるし、他の例も単純な話では無いでしょう。

初めての講演会は大盛況だった

勝谷自身に対しても、「毎朝の5,000字の日記は、やはり無謀だった」「毎晩酒を飲みに出かけるのは異常だ」など、さまざまな意見が寄せられました。私も「日記は休んでもいいし、1,000字ぐらいでも良いよ」と言いましたが、「いや、これは読者と約束したんだからやる」と譲りませんでした。そんな約束はしていないんだけど、まあ本人がそのつもりでやっていたので、そうだったんでしょう。
しかし、そのために早朝の活動は制限されました。メールは朝8時〜9時ぐらいに配信されるので、選挙に関する活動はそれから。10時とか11時とか。起床は2時とか3時なので、昼に休みを入れないと持たないし、夜は午後4時ぐらいに体力が切れるので、遅くても7時には切り上げて飲みに行くことになります。

これも、選挙期間中はメール配信をやめて朝6時に起き、3食きっちり食べて、夜も8時以降もネット配信したり、いろいろな組織・団体をまわったり、個人演説会を行ったりしたら良かったのかどうか。それだと、早々に勝谷自身が破綻してしまうとも思ったし、それでは「勝谷誠彦」ではない、ということになってしまう気もします。
本人は、「選挙期間中に体力が持った」と言っていて、確かにそれは驚いたし大したもんだと思います。でも、そのためにどれだけまわりのスタッフが気を使ったか。起床・就寝時間、移動手段、飲食物や接し方など、毎日毎日胃がキリキリする思いで対応していました。

演説に関しても、最後まで現職批判は続きました。先日行われた「子ども国会」で、蓮舫さんは「批判ばかりしている」と言われていましたが、彼女は提言もしていたのだろうけど、そうは見えなかった。勝谷も「批判は言っていないよ。政策もちゃんと語ってるよ」と言っていたけど、私に入ってくるのは「批判ばかりでした」という話。なんでこんなことになるのかというと、批判と提言が半々であったとしても、批判の方が強く印象に残るわけです。たぶん、批判は全体の1割くらいで話の冒頭部分で良いんだろうけど、それが「主体」だと思われると「批判」しか残りません。

まだいろいろあるけど、どうも愚痴っぽくなってしまうので、とりあえずこの他は酒の席で。

これからの勝谷誠彦は

今後の勝谷はどうなるのでしょうか。

まず言えるのは、国政は無しで、政治家という選択肢も無いだろうということです。兵庫県知事に関しては、まだ気持ちが1%くらいはあるかもしれないけど(と書くと、本人は「無い無い、0%だよ」と言いそう)。
もし気持ちがあれば、まずは今回お世話になったボランティアや寄付者の方々に、何らかの感謝のメッセージを伝えるべきだけど、気持ちはあっても行動には出てきていないので、まだ自分の戦いの総括ができていないようにも見えます。毎日のメール『勝谷誠彦の××な日々。』では、次もあるとかないとか、「県民は私を振った」とか未練や恨みのような表現も続いているし、揺れ動いている気持ちが良くわかり、読者からもかなり厳しい意見が寄せられています。

私としては、まずは本業のコラムニストに戻って、そちらで今回の経験を生かして欲しいと希望しています。こんな難しい選挙を何の団体の支援も受けずに闘って、64万票を取ったというのは立派な実績であり経験なのだから、あまり引きずって未練たらしいことは言わず、さっさと次を見て進んでいってほしい。

かくいう私は、もう選挙実務はやりたくないです。一通り、選対本部長も事務局長も資金管理も雑用も一度に経験したけれど、自慢できることと言えば「最後まで逃げなかった」ことくらいで、結局負けてしまったわけだし、本当にこの2ヶ月間は涙が出るほど辛かった。スタッフにも迷惑をかけたし、ずっと「もう辞めたいよ〜」と弱音を吐いていました。選挙後一ヶ月間、残作業をこなしながら、やっと不調だった心身が戻ってきたような状況なので、こんなこと続けていたら早死しそう。長生きしようとも思っていないけど。

今後は、「選挙実務経験のあるネット選挙の専門家」で良いです。
ネット選挙に関しては、後日「おまけ」として追加を出すかもしれないけど、兵庫県知事選挙の記事は、ひとまずここで終了です。
ご精読ありがとうございました。

勝谷誠彦の兵庫県知事選挙 おまけ

開票待ち会場での落選の挨拶

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