今週は、やることが溜まっていて一回パスしようと思っていたところ、なんと多摩市長選挙にAIが立候補したと言うので見てみました。
AIを政治の世界で有効活用していくのは賛成だし、将来的にAIが候補者として出て来ることも仕掛けていきたいと思っていて、自分でも小説風に書き始めてみたりしたけど、ちょっとこれはいただけない。
まず、出るのであれば泡沫候補として出ないで欲しい。それなりにキチッとプロットを構築し、政策を立てて準備してから立候補するべき。こんな思いつきのように出て、泡沫扱いされた挙句、最下位で落選ということになる(まだ投票日は先だけど)のは、真面目にAIやロボットを政治の世界で活用させていきたいと考えている人たちを侮辱するものであるし、可能性を摘んでしまうことになる。
立候補するだけでも尊敬はするけど、これはいただけない。
ということで、続きは明日か明後日。
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というわけで続きを書きます。
推薦者に松本徹三氏(元ソフトバンクモバイル副社長)や村上憲郎氏(元グーグル日本法人社長)がいるのは驚きだけど、村上さんは新技術のイノベーションに関しては積極的に応援する人なので有りかな、という気はする。
しかし、AI市長候補と言っても実際に立候補しているのは生身の人間であり、その人物のプロフィールは一切明かされず、政策も漠然としたものなので胡散臭さが漂ってしまっている。選挙期間中なのであまりキツい批判は書かないようにするけれど、残念ながら市長どころか、79歳のお爺さん候補との最下位争いになりそう。
ちなみに4年前は
阿部 裕行 31,828 当
相沢 慶太 4,237
松田 道人 3,509
となっている。まあ、2位と3位は良い勝負といえば良い勝負。このときはAI候補ではなかった。
立候補するのは勝手だし、立候補するだけで尊敬するけれど、AI市長候補とかいうのであれば、何が「AI市長」なのか明確にすべき。「松田道人」さんが立候補しているんだから、「松田道人市長がAIを駆使した行政改革を行う」のと何が違うのか。しかも「松田道人」って誰よ?結局それがわからない。
いずれ、AIは政治や行政にも入っていき、いろいろなことが改革されていくはず。だから、大事なのはAIをどう使っていくのかという具体論であり、お遊びではない。「AI市長によるチャット相談」て、今よくあるAIチャットと何が違うのか。答えるのが市長のアバターというだけであって、何が革新的なのか。
現在の公選法ではAIが立候補できないために、人間が立候補したというのであれば、「AI市長」というものが何なのか、明確に定義して、キャラ作りまでしてほしかった。
残念。