注目の名護市長選挙の結果が出た。
渡具知武豊:20,389
稲嶺進:16,931
意外に差がついたというのが現時点での正直なところ。
私は一昨日、激戦だというこの選挙のことを調べてみて、どうしても言っておきたいことが出てきたので、自分のFacebookに以下のように投稿した。
いよいよ名護市長選挙の投票日がやってきます。
沖縄だけでなく日本にとっても大事な選挙なので、気になって調べてみて驚きました。
稲嶺ススム候補には公式サイトが無い。後援会サイトなんか誰も見ないよ。
これでは、いくらSNSを一生懸命やっても、商品を買える店舗がなくてチラシだけ撒いているようなもんです。
なんでそんなことをやっているんだろう。
選挙に行こうと思った人が候補者について知ろうとしたらどこを見れば良いのか。稲嶺氏が名護市をどうしてくれるのか見ようと思ったら、どこを見れば良いのか。「後援会」とタイトルに付くだけで「ああ、本人じゃないのね」となってしまう。SNSだけやっていれば若者が寄ってくると思ったら大間違いです。生放送をやったってその前段階の種まきができていないと、誰も見ない。
この映像を見ると、高校生に動員をかけているようにも見えるけど、ここに来ている高校生も、見た若者も渡具知氏に関心を持って、投票するでしょう。
進次郎の演説も相変わらず上手い。
本当はこんなビデオシェアしたくないけど、稲嶺陣営や応援している人は見ておいたほうが良いと思います。「自民党は都合の悪いことは言わない」って批判もあるけど、そりゃそうでしょう。どんな手を使っても、勝てば民意になってしまう。
「沖縄はインターネットを頑張ったってたかが知れている。票には関係無い」と思っている人もいるでしょうけど、何もしなければゼロです。進次郎も言っているように、2%でもひっくり返る選挙は山ほどあります。
先日の南城市長選挙は65票差だった。こんなの、簡単にネットでひっくり返せる数字です。
名護市長選挙も大接戦になっているわけだから、やることは全部やらないと。ちゃんと店舗を作らないと。
僕は稲嶺さんが勝つべきだと思っているけど、ネット選挙的にはいろいろと票を落としてしまっていると見ています。奇しくも懸念していたとおりになってしまったわけだけれど、原因はいろいろあるでしょう。年齢的なものもあるかもしれないし、政党支援の構図や地上戦の差もある。
期日前投票が40%を超えるという、前代未聞(おそらく史上最高)の動きは、公明党を始めとする組織票のものでしょう。さらに、名護市はこの4年間で人口が3千人増えているという話もあるけど(本当かどうか裏は取っていませんが)、そういった選挙戦術に稲嶺陣営がやられてしまったのかもしれない。
私は、自分の専門のネット選挙について両陣営を見て、上記のような懸念を持った。しかし、稲嶺進(いなみねすすむ)陣営も決してネットを軽視していたわけではないと思う。
あえて言うと、やり方が稚拙だった。公式サイトを作らず、SNSは頑張っていたと言えるが、ターゲットをはっきりさせることができなかった。後援会サイトだって、出来は悪くないのに、なんでこんな見せ方になってしまったのか。
その反面、渡具知武豊(とぐちたけとよ)陣営は、前回の自民党推薦に公明と維新が加わり、さらに若者の票を狙って取りに行った。公式サイトは全然褒められた出来ではないけれど、それでも有るのと無いのとでは雲泥の差だ。
稲嶺陣営からしたら、基地問題を避けていた渡具知陣営に若者が騙されたと映っているかもしれない。しかし、若者にアピールできていなかったら騙されたもへったくれもない。恋愛は告白しなければ始まらない。
沖縄は今年、選挙イヤーとなっていて、11月には県知事選挙が想定されている。ここで落としてしまったら、せっかくオール沖縄で勝ち続けてきて、沖縄の民意を示してきたことが振り出しに戻ってしまう。
敗戦の分析というのはとても難しく、なんでも理由に思えるので、次の戦いで変えるべきなのかこのままで良いのか判断がつきにくい。だからこそ、冷静に分析して、変えるべきところは今から変えて行かなければならない。「なるべくしてなった結果」だと割り切るところから始まる。決して「不正が行われた」などという方向に持っていってはならない。
とはいえ、選挙に関わった皆さん、大変お疲れ様でした。今日はゆっくり心身を休めて、明日からまた次の戦いに向けて仕切り直しです。年末に「良かった」と思えるように頑張りましょう。