注目の千代田区長選挙の結果が出ましたね。
<千代田区長選>「夏」へ小池氏はずみ…都議会の支持加速(毎日新聞)
5日の東京都千代田区長選は、小池百合子都知事が支援した現職の石川雅己氏(75)が危なげなく5選を果たし、「小池人気」の高さを証明した。すでに都議会では公明党や民進党が小池氏に接近を強め、自民党にも造反の動きがある。このままいくと夏の都議選が小池氏を「主役」に展開されるのは確実だ。自民、公明両党は、党内に動揺が広がれば安倍晋三首相の政権運営にも影響しかねないと警戒している。
石川雅己(無所属・現) 当選 | 75 | 16,371 |
与謝野信(無所属・新) | 41 | 4,758 |
五十嵐朝青(無所属・新) | 41 | 3,976 |
石川氏の当選は当然とはいえ、トリプルスコア以上はすごい。まさに小池旋風。
で、それは置いといて、問題は次点。
私は、昨日の『勝谷誠彦の××な日々。』スタッフメールで以下のように書きました。
先々週、千代田区長選挙についてご紹介しました。その投票日が明日です。やはり下馬評通り小池都知事が推す石川雅巳氏が圧勝の勢いだそうですが、問題は次点です。通常であれば与謝野信氏が僅差で付けて、五十嵐朝青氏は泡沫となるところでしょう。しかし、五十嵐氏が意外と健闘して与謝野氏に迫るか、場合によっては次点に躍り出ると、与謝野氏を担いだ自民党都連は壊滅的な打撃を受けるでしょう。いずれにしても、今夏の都議選の前哨戦となるため、自民党都連は体制の立て直しが必要となります。
注目の次点は、自民党(一応「推薦」だけど、実質的には「公認」でしょう)の与謝野氏に、泡沫扱いを受けていた五十嵐氏が善戦。実際に会ってみると、五十嵐氏は「なんでこの人が泡沫扱いなんだ?」と思えるような「タマ」だったので、やはり千代田区民も同じように感じたのでしょう。
マスコミはほとんど「代理戦争」という名の一騎打ちの構図を流しまくっていたので、ほぼすべてのニュースは「石川圧勝」「小池強し」となるんだろうけど、「戦争」なんだったらしっかりとそれなりの分析をしてもらいたい。それにしても、五十嵐陣営から見るとまことに不公平な報道だったのではないか。これで「公平」な選挙報道と言えるのか。プンプン!
「代理戦争」として見ると、王者小池軍(石川とかはどうでも良い)が、大将ドン内田の陣地内で内田軍をコテンパンに破ったことになり、今回は三者の戦いだったために、伏兵だった五十嵐軍が小池軍には刃が立たなかったとは言え、もう少しでドン内田軍を破るところまで迫った、ということ。大将のドン内田は自刃に値する。
この結果、小池軍は夏に行われる「都議選」にもそのままの勢いでかなりの議席を獲得すると予想され、ドン内田軍は早急に立て直さないと、壊滅的な状態のまま都議選に臨まなければならない。そして、それが長引くと絶好調の安倍自民党と小池軍との関係を複雑なものとさせてしまい、衆院選にまで影響してしまうため、党本部からしたら「お前ら、ええかげんにせえよ」ということになるわけです。
霞んでしまいそうな他党はどうすればよいか
さて、これから自民党都連や他の政党はどうしたら良いのか。
まず、いくら表に出なかったとはいえ、不出馬が噂されているドンは急速に党内での影響力が薄れ、都連会長の下村博文氏も何らかの責任を取らないと示しがつかない。その上で、小池都知事には是々非々で臨むとしても、今のような遺恨がらみを感じさせる対立構図は変えていかないと、都議選では絵に書いたヒール軍の完成となって、ハイそれまでよ。
そして、民進党は小池知事にスリスリしていくばかりでは、「別に無くても良いんじゃね?今回は小池新党で」的な扱いとなり、大阪の民進党と同じような状況となってしまう。
本来であれば最も「都民ファースト」と言える活動を長年行ってきた東京・生活者ネットワーク(いつもお世話になっています)は、なんとか埋もれないように存在感を出していかなかければならない。こちらは、活動や政策はしっかりしたものなので、あとはいかに地べたを這うような告知戦略で拡散していかれるか、がポイント。
公明党は小池寄りを鮮明にしたとはいえ、どっちにしても全員当選となりそうだし、共産党はいつものようにブレずに突き進む、と。
メディアは、これから夏にかけて小池新党の動きを芸能ニュースのように追っかけていくだろうから、政策にしても小池さんに振り回される日々が続くことになるんだろうなあ。小池さんが「豊洲」と言えば豊洲。「子育て」と言えば子育て。結局、安倍さんが「アベノミクスを進めるしかない」と言えば、そのとおりに報道するのとなんら変わらない。
ああ、頭が痛い。
個人的には五十嵐氏が善戦したことで、なんとかこれからも政治活動を続けていき、良い政治家になってもらいたいな、と思うわけです。
と、上から目線で語りながら、眠りにつく爺でありました。