またしばらく空いてしまったけど、『ザ選挙』のメルマガには毎週寄稿しているので、今回はその中のひとつを(割と真面目なネタ)。
『ザ選挙』メルマガ Vol.117(2012.6.20発行)から
長生村長選挙の不思議な結末
国政は大混乱、というか呆れかえって鼻血が出そうです。そんな国のゴタゴタは置いといて、今回はちょっと地味な話題から。
先日、6月17日に千葉県の長生村というところで村長選挙が行われました。私はあることが気になって、少しだけ注目していました。
それは、現職の石井俊雄氏(61)がどうなるかです。まず、石井氏のホームページを見てください。
http://www9.ocn.ne.jp/~tishii/
酷いですね。いまどきURLに「~」(チルド)が入っています。こんなの昔のBiglobeかOCNぐらいでしょう。ホームページを作ったソフトは「ホームページビルダーVersion 6 for Windows」。開設日が2002年なので、10年前に作ったものを真面目に更新してきたのでしょう。
あまりにもしょぼいホームページですが、内容はそんなに悪くありません。そして「プロフィール」が泣かせます。
http://www9.ocn.ne.jp/~tishii/profile.htm
私は議員に対して、「プロフィールは****年**大学卒業とかだけでなく、サークルとか取り組んだこととかを書いた方が良い」とよく言っていますが、石井氏のプロフィールは、その場の情景や彼の人柄が頭に浮かぶような書き方です。見せ方は褒められたものではありませんが、木訥とした人柄が感じられるような文章です。
たぶん、「俺が俺が」というタイプではないのでしょう。議員から村長になった下りを読んでいると、元矢祭町長の根本良一さんを思い出します。根本さんは町長を辞めようと思って「次は出ない」と言ったところ、町民が町長室に押しかけて「辞めないで欲しい」と涙を流しながらお願いしたそうです。石井さんがそんな感じかどうかわかりませんが、似ているところがあるような気がします。
石井さんの対抗馬はふたり。ひとりは村会議員から立候補した小高陽一氏(59)。情報が全く無いのですが、2年前の議会選挙では立候補者18人中6位で498票と、ぶっちぎりで支持を得ているわけでは無さそうです。
もう一人は経営コンサルタントの山崎裕司氏。しっかりしたホームページを開設していて、学歴も大阪の北野高校から京都大を卒業してスタンフォード大の大学院まで進んだエリートです。職業も経営コンサルタントなので、人を相手にするのも得意なんでしょう。
私の予想としては、町民が石井町政を良く評価していれば石井氏の再選。山崎氏がどれだけ迫ることができるか、というものでした。
ところが、蓋を開けてビックリ!
小高陽一 3779
石井俊雄 3722
山崎ひろし 635
なんと、現職の石井氏は57票差で落選。山崎氏は泡沫でした。
正直言ってガッカリです。一番データの無い小高氏がどうというより、『ザ選挙』を見ても当選するとは思えないわけですから、実際に現場にいないとわからないということです。たぶん、選挙屋Mが入って石井氏をサポートしたら、57票差ぐらい簡単にひっくり返したでしょう。まあ、結果論ではありますが。
せめて、首長選挙に出る人は、ホームページぐらい開設して欲しい。石井氏のようにホームページビルダーで素人がシコシコ作るものや、アメーバブログだってかまいません。別にVoiceJapanの「ネット参謀」を使って欲しいだなんて、これっぽっちも言いません(言っているけど)。
それは、東京から「誰が当選するかな?」と野次馬的に見たいからではなく、有権者の側に立った要望でもあります。小高さんがどんな選挙運動をしたのか、非常に興味があります。