半蔵門
ちょっと昨日は飲み過ぎた(反省)。酒が良かったせいか二日酔いはほとんど無かったけど、胃が本調子ではないので、やっぱり飲みすぎはいけまへん。
いろいろ細かな作業に手をつけて、夕方JanJan編集会議へ。
週に一度顔を出す程度だと、知らない顔がどんどん増えていくのでなんとなく気恥ずかしい(^^;。
・・・
私は以前から「電子ペーパーがメディアを変える」と書いたり言ったりしてきて、「さるさる日記」に書いた(たぶん・・・)時からもすでに6年半が経った。
そして今日、日経ビジネス(3月31日号)をペラペラ読んでいたら、
「“未来の紙”が実用段階に」
という記事を見つけた。
カラー電子ペーパーがいよいよ実用段階に入ってきたという記事だ。
写真は、2005年にプレスリリースされた富士通フロンテックのカラー電子ペーパー。カラー液晶で世界をリードしているのは、この富士通グループと、ブリジストンらしい。しかもこの2つのグループの電子ペーパーはそれぞれ方式が異なり、一長一短があるという。
ブリジストンの電子ペーパー
富士通はすでにカラー電子ペーパーを発売している。
世界初「カラー電子ペーパー」端末発売(ITmedia)
発売していると言っても、まだまだ実験段階。
最近の液晶やELディスプレイを見慣れていると、「液晶が折り曲げられるのか」とだけ思いがちだが、最大の画期的な特徴は
表示に必要な電力がゼロ
であるということだ。つまり画像の切り替え時しか電力を必要としないので、液晶の数万分の1という省電力化が可能となる。
用途としては、主に広告やポスター、特に電車内の広告は中吊り広告まで含めてすべて入れ替えが可能であり、時間帯によって客層に応じた表示も可能となる。
そして、当然すべての印刷物への応用が可能だ。
すでに発売されている電子ブックはもちろん、雑誌や新聞への応用も利く。
私は今まで、キオスクに端末を設置して、電子ペーパーで新聞を50円でダウンロードできる、といった方法を思い描いていたけど、 別にキオスクでダウンロードしなくても、家庭のパソコンからでもできるわけで、将来的にはコンセントのようにLANケーブルをそのまま突っ込むか、無線でパソコンを介さずにダウンロードすることが可能になるかもしれない。
そうなると、紙の量が極端に減り、電力も減るので、環境的には良いことずくめになる。
しかし、新聞社がそのモデルに移れるかというと、やはり輪転機の存在がじゃまになるわけで、下手すると逆に圧力をかける恐れもある。社主でもない妖怪爺のいいなりになっているところなんかは、紙にこだわりそう。
大手新聞社の中でやるとしたら、可能性があるのは産経新聞。そして崖っぷちの毎日ぐらい。もしかしたら日経も取り組むかな。ただ、毎日はいざ取り組む段階になって投資ができずに断念するということも考えられる。
また可能性としては、ローカル紙のチャンスでもある。
たとえば、ウェブで信濃毎日新聞サイトを確認して、もう少し知りたい記事があった場合、その号だけをダウンロードして購入するというスタイルもあるからだ。
さらに、新聞のバックナンバーとか、スポーツ欄だけを買うとか、可能性は山ほど考えられる。
ただ、ネットメディアにとってチャンスかというと、そういうわけでもなさそう。というのは、たとえばJanJanの記事をわざわざダウンロードして購入するかというと、しないでしょう。もともと価格の無いものに対して、電子ペーパーだからといってお金を払うことにはならない。
だから、ネットメディアにとってチャンスかと問われれば、「意外と難しい」ということになる。
いずれにしても、新しいビジネスモデルを構築したところが生き残ることになり、今まで揺るぎない基盤を築いてきたつもりの旧メディアは、紙にこだわり続けると恐竜の滅亡のごとく一気に滅びることもある・・・と、私は思っているんだけどなぁ。