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フジテレビの不振を立て直すことはできるのか・・・大事なのは「残したい」という想い

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フジテレビの不振って、「なくてもいい」存在になってしまったことが一番大きいんじゃないだろうか。
たぶん、良い番組もあるだろうし、自分のことで言えば、世論社から出した『黒島を忘れない』なんて、フジのドキュメンタリーがもとになって作ったものだったけど、今は「どうしてもこれを残したい」という番組が無さそうな気がする。

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 フジテレビ不振の最大の原因は視聴率の低迷にある。凋落は11年頃から始まった。ドラマやバラエティの視聴率が低下した。そこで13年、『踊る大捜査線』など数々のヒット作を生み出したプロデューサーの亀山千広氏が社長に抜擢された。

 しかし、大エースも低視聴率を食い止めることができなかった。亀山氏は14年に昼の長寿番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』を打ち切るなど、番組を大幅に改編。昼のバラエティ番組『バイキング』や情報番組『直撃LIVEグッディ!』の視聴率はやや改善したが、肝心のドラマなどの視聴率の落ち込みが続いた。

 15年からはテレビ東京が背後に迫っている。テレビ単体の営業利益では、すでに最下位。7~9月期には、とうとう営業赤字に転落した。

それは他社も五十歩百歩、目くそ鼻くそなのかもしれないけど、ドラマや報道で「この番組を残したい」「この事実を伝えたい」という想いが強くないと、それはきっと視聴者にわかってしまう。

『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』は、業界的には面白いと思ったけど、見たのは最初の3回だけで、まだ録画として未視聴のまま残っている。なんでだろう?

フジテレビ本社ビル(「wikipedia」より)

おそらく、キャスティングの面白さや、「難しくならずにわかりやすく」という思いが強くて、それが中途半端になってしまったのではないだろうか。ストーリーの作り方が「視聴率を取るために」安易になってしまったこともあるかもしれない。

これは『陸王』(TBS)とくらべてみるとわかりやすい。『陸王』も『民衆の敵』も熱血漢の主人公がいて、その志を止めようとする要因があり、主人公はそれを乗り越えて、周囲の協力も得ながらひとつひとつ実現していく。

この「決してくじけない」「成功するまであきらめない」という共通項があるのに、かたや『陸王』は翌週の放映が待ち遠しくなるほどで、『民衆の敵』は録画を見る時間がもったいなく感じてしまう。「マラソン」に比べて「政治」という扱いにくいテーマにしたというのもあるかもしれないけど、番組を見た人が職場や学校、SNSなどで話題にするかどうかということが大きいのではないだろうか。あと、『陸王』は泣けるんだけど、『民衆の敵』は泣けない。第1話の選挙のシーンでは、本来であれば感動するはずが、「ええ!そこに来るか」と拍子抜けする結果となってしまっている。
制作現場は一生懸命なんだろうけど、企画や脚本、キャスティングの段階で、たぶん制作意図と離れてしまっていて、それはテレビ局の根本にある『存続の欲求』みたいなところに帰結しているように思えてならない。

チャンネルが「8」だということも理由のひとつかもしれないけど、もしそれを理由にしてしまうのであれば、そもそも何をやってもダメだということで、テレビ局を存続させる意味すらもなくなってしまう。

「ドラマの視聴率が取れないから、ドラマのテコ入れを行う」ということらしいけど、そうではなくて、番組構成をガラッと変えていっそのことドラマは捨てるとか、ネットの使い方で新機軸をいろいろ試してみるとか、一旦社員の給与を半分にして制作会社に全部還元するとか、「いや、それはダメでしょう」って言われるくらいの改革を行わないと、このままズルズル行くんじゃないかな。

これって最近の野党とか、極端な話、日本の人口減少まで広げられるような話なんですよね。

「減ったものを増やすのか、それとも減るものとして新しい『存在理由』を持たせるのか」

自分だったら後者なんだけどな。

 

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