しまった…水曜日の朝なら前日にブログを書いておいて、それを予約投稿で出せば良いじゃん、と思っていたら、火曜日は呑みに行くケースが多かった。
と、言い訳を書いておいて、今月はやはり選挙の話になります。わかりにくい選挙を、自分の頭の中だけでも整理しておかないと。
まず最初に、実際に選挙を戦っている候補者とそのスタッフの皆さんに敬意を表します。評論家よりもプレイヤーの方が絶対に偉い。立候補するということがどれだけ大変か。マスメディアでもネット上でも、いろいろとわかったようなことを評論している人には「立候補してから言えよ」と言いたい。もしくは候補者に敬意を持って書いてほしい。特にネットはヒドい。フルマラソンの大会で選手に厳しいことを言う人は、自分が走れないことを前提にして言って欲しいし、映画評論家はどれだけ映画製作が大変なのか知って、まずは製作者に敬意を持ってから評論して欲しい。
自分が多少経験したから偉そうに言っているわけだけど、このドタバタの中で立候補しただけでも大変だったと思う。特に希望の党、立憲民主党、そして民進党から出るはずだった無所属の候補者は、どこから出るか決まらないままギリギリまで制作物や提出物に追われ、しかも公示日直前は3連休。「業者は?」「選管での事前審査は?」など眠れない日も多かったのではないか。それで準備万端の他党候補と闘うわけだから、その苦労は大変なものだ。本当にお疲れさまです。
民進党が割れてわかりやすくなったのか
まず、自分のスタンスを明らかにしておくと、いつもそうだけど特定の政党の仕事を受けているわけではなく、個人で繋がりのある人を「頑張れ〜」と思っているだけで、特定の選対に関わっているわけではない。個人的には、今回は立憲民主党に頑張ってもらいたいと思っているけど、希望の党にも自民党にも親しい人はいるので、それぞれ当選してもらいたい人はいる。
なので、自分の思い入れによって偏らないように、公平なデータで頭の中を整理したい。
まず、選挙ドットコムのこの記事がわかりやすい。
【衆議院選挙2017】比例投票予定「自民3割半ば」「立憲民主と希望が拮抗」「共産、公明、維新などが続く」|第2回11ブロックごと全国電話調査(選挙ドットコム)
内閣支持率は、この一週間でほとんど変わっていない。若干減ったくらい。希望の党への期待は5ポイントくらい減り、その代わりに立憲民主党が初登場で期待度1割半ばといったところ。
選挙区への投票先は、自民党が若干、希望の党が大きく減り、立憲民主党が希望の党と同じくらいの1割半ばという支持。比例区は自民党が3割半ばで一週間前とほぼ変わらず、希望の党が5ポイント以上減らし、立憲民主党が初登場で2割弱となり希望の党と並んだ。
以下は選挙ドットコムの特集ページから。
こう見ると、この一週間で
- 自民党の支持率はほぼ動かず
- 希望の党は支持を減らし
- 立憲民主党は、初登場で希望の党と肩を並べた
というのが大まかなところでしょう。その前に、自民党支持率は、希望の党の登場で若干減っているので、
希望の党によって多少の保守層切り崩しはできたものの、政権交代を意識させるところまでは行かなかった。行き場を失ったリベラル層の受け皿として立憲民主党が急激に支持を伸ばしている。
と言えて、ここまではマスコミでもネットでも何度も目にする現状分析となる。結局、希望の党が選挙区で過半数を擁立できなかったこと(比例区を足してかろうじて過半数)や、小池さんが出馬しなかったことでシラケ感が出て、残念ながら希望の党としての伸びしろは期待できない。あとは実力のある候補者がどれだけ頑張れるか。
選挙ドットコムの世論調査を見てまず注目するのは、比例の投票先として希望の党と立憲民主党を合わせて5割弱まで行くことで、これが民進党のままだったら1割前後だったので、自民党の伸びを止めて、無党派や共産党から引っ張って来ていると言えそう。
希望の党、東京で支持率急落 小池百合子氏も不支持が上回る JX通信調査(産経ニュース)
比例東京の投票先として自民党を挙げたのは前回比1ポイント増の29%。今回調査で初めて選択肢となった立憲民主党は18%で希望の党に並んだ。これに共産党7%(前回比3ポイント減)、公明党6%(同1ポイント増)が続いた。未定・不明は19%(同4ポイント減)だった。
前原さんは現在「裏切り者」として厳しい評価にさらされているけど、結果だけ見ると理想的ではないとしても、そのままの民進党で突っ込むよりは、与党の切り崩しや民進党候補の生き残りに貢献するかもしれない。ひとまず「希望の党は第二自民党だ」という意見は、ここでは置いときましょう。
議席数はどうなるのか
かといって、当選者数もこのとおりの割合で行くかというと、そうは行かないのが小選挙区の怖いところ。選挙区では「自vs希vs共」というところもあれば「自+希+立」というところもあり、候補者も希望の党や立憲民主党は急ごしらえで、地元での活動がほとんど無かったり、そもそも政治経験が全くない(希望の党)候補者も多く、最初から勝負にならない選挙区も多い。
そうなると、構図だけ見ると与野党対決に見えるところも、自民圧勝という選挙区が多く出てくるので、総じて選挙区では自民圧勝となるのではないか。選挙区で野党が勝てるところは、そもそも民進党で出ても勝てるところでしょう。しかし、そんなところでも希望の党と立憲民主党で票を食い合って、自民党が漁夫の利を得る選挙区も出てきそう。
比例区では自民党は議席を多少減らすことになるでしょう。これは単純に政党の得票数によって議席数が決まるので、合わせて5割弱となっている希望の党と立憲民主党にそれなりの議席が流れるため。公明党は確実に予想どおりの議席を取るとして、共産党は若干立憲民主党に流れた分、減らすと予想される。
これからの約10日間で情勢は変わるのだろうか。
北朝鮮報道による自民党の巻き返し、小池さんの支持率低下による希望の党の失速、立憲民主党への期待の伸びなど、大きな動きは無いとしてもジワリジワリと各党の伸びや衰退は進んでいき、投票日を迎えることになりそう。
「激戦区となっている選挙区で、どれだけ自民党が議席を死守できて、野党が巻き返せるか注目される」と書きたいけど、今回、風を期待しているような候補者はまず無理、と言わざるをえない。