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西宮市長選挙の話〜ネット選挙のもうひとつのカタチ『信州型』

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始めに、全ての候補者と関係者の皆さん、大変お疲れ様でした。

個人的には、石井としろう事務所の吉田大成事務局長の安定感とおおらかさに敬意を表します。

さて…

寿命が縮まったかと思った。

なんと108票差。煩悩かよ。

西宮市長選挙

石井 登志郎(46) 37,831
吉岡 政和(43) 37,723
本井 敏雄(67) 27,589
上田 幸子(70) 19,692
村上 博(57) 14,286
中川 暢三(62)  5,705

私は、友人の石井登志郎さんのネットの部分をお手伝いしてきた。最初は公式サイトのリニューアルを行い、一度はランディングページ型にして、途中で通常のサイドバー有りの形に戻した。

他の候補者は、吉岡氏も本井敏雄氏も『ランディングページ』型という、スマホやタブレットで読まれることを前提にした、サイドバーの無いレイアウトのデザイン。登志郎さんも最初はそのようにしていたけれど、一度に見られる情報量が少なくなるので、途中からサイドバーのあるパソコン主体のデザインに戻した。
とはいっても、『レスポンシブデザイン』という仕組みになっていて、タブレットやスマホで見ると、サイドバーは下に回り込んで、ランディングページと同じように見ることができる。

石井としろうサイト

有権者数:388,123人
投票者数:145,608人
投票率:37.52%。

4年前の市長選挙の投票率は36.41%だったので、1%ほど上がっただけ。50%を目指していた石井登志郎陣営としては、かなり不安な選挙となってしまった。

昨年の兵庫県知事選挙で書いた総括。
兵庫県知事選挙総括

敗因にしても勝因にしても「あれかな?」と思うことはあっても、それが当たっているかどうかは、実はわからない。全く同じ条件で同じ選挙ができないので。なかなか分析というのは難しい。

最初に断っておくと、108票というのは「神のさじ加減」。何かがちょっと狂っただけで、結果は逆転してしまう。

今回の選挙で、勝因としてすぐに思い浮かぶのは

  • 石井登志郎候補の知名度の高さ
  • 衆議院議員選挙を闘ってきた実績

といったところ。知名度に関しては、本井氏は副市長とはいえ、ほぼ知名度はない。吉岡氏は大規模な折り込みやポスティングをしてきたので、逆に優位に立てたのではないか。衆議院選挙に関しては、登志郎さんの直近の選挙は2014年で、吉岡氏は2007年と2011年の市議選、2015年には補選と本選の2回の県議選に出ているので、有利な状況にあったはず。ただ、2015年の県議選では、吉岡氏は西宮選挙区で当選者7人中5位だったので、もともと知名度は無かったかもしれない。

次に、支援組織になると、登志郎さんは民主党出身だといっても政党の支援は受けず、手弁当で応援に来たのはかつての同僚議員たち。本井氏も元市長の支援で、政党支援は無かった。しかし吉岡氏は、自民党と公明党の推薦、特に公明党の推薦をもらったのは大きかった。私は昨年のトラウマがあるので、学会票は正直言って怖かった。

逆にマイナス要因としては、登志郎さんは政党支援を受けていないので、必然的にボランティア主体の選挙とならざるを得なかった。結果としてこれがプラスに働いたと言えそう。政党色を極力消して、本当の「無所属」にこだわった。吉岡氏は、国政での安倍政権への逆風をもろに受けてしまった形になったと考えられる。特に、学会票がまとまらなかったのではないか。

産経新聞には、

自公推薦候補「まさか」の敗戦県内に動揺

自公推薦候補だった吉岡政和氏(43)の陣営は選挙期間中から独自調査などで優勢が伝えられ、「4万票は取れる」と楽観論が広がっていた。思いがけない敗戦に地元の市議や県議は、候補者乱立や陣営の油断などを挙げながら、決定打を見つけられていない。自民市議は「わずかな票差。敗戦の分析は難しい」と話す。

吉岡陣営は当日の出口調査の結果を聞いて、青ざめたのではないか。神戸新聞の出口調査では、横一線と表現しつつも「石井、吉岡、本井」の順番になっていた。ということは、ほんの僅か石井がトップになっていることを示している。期日前投票の結果がわからないが、接戦になることは間違い無い。

石井陣営では、少なくとも楽観的ではなかったけど、危機感を感じていたのは本人と事務局長と私ぐらいだったかもしれない。

不思議なのは、吉岡氏が選挙戦最終日の14日に安倍さんとのツーショットを掲載したこと。たまたまこのタイミングで安倍さんが来阪しているという、これも「神のさじ加減」か。
しかし、これはいくらなんでもねえ。

石井登志郎候補がターゲットにしたのは無党派層

ターゲットにするには一番難しい層。しかし、保守層は吉岡氏に行くだろうし、医師会は村上氏。共産党を除くと、民進・立憲・希望・そして維新となる。さらにもっとも大きいのはノンポリの無党派層。本来であればここは狙って取れるところではないけれど、民進・立憲・希望は今までの経緯からある程度は取れる。維新は「行政改革」を主張していけば共感を得られるだろう。問題は残りの層。子育て支援や住みやすい街のアピールなどは他の候補者も主張するだろうから、主張の中身よりも「こいつは信用できそう」というイメージを作らなければならない

4月に入り、登志郎さんは「重点政策」を3つ決めて、それを全面に出すことにしたけれど、私は退職金問題を一番にするのはあまり賛成していない。メインターゲットにしたい無党派層は、退職金についてはそれほど関心がないのではないかと思ったので。そこで、金額を入れて生々しくするよりは、行政改革の一例ということにして、さらっと流すことになった。ただ、退職金問題を1番に持ってきたことを評価する声もあるので、どちらが良かったのかは、なんとも言えない。

さらに、「無所属」を強調して、無党派だけでなく自民や共産支持層からも支持を得やすくした。とにかく最後まで「無所属」にこだわった。

そしてやっと本題。気になるネット選挙に関して・・・

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