急に春めいた陽気で、何を着たら良いかわからない季節になってきましたね。
最近、飲み会が続いていて、なかなか落ち着いて書いたり考えたりできないけれど、財務省の森友文書改竄に関しては、なんとかニュースを追っています。
いろいろと考えることは多いし、自分の考えを書き置こうとは思うんだけど、すべてを網羅しようとすると私の脳みそ程度では考えをまとめられないので、具体的な評論は有識者に任せるとして、ここのところ胸に引っかかっていることを残しておきます。
あくまでも「朝日新聞の誤報」にしたかった人たち
ひとつ驚いたのは、事実を丁寧に追うのではなく、「朝日新聞は安倍政権を倒すために誤報を出した」と考える人、事実がわかってきたときにそれを認めて論評をし直すのではなく、問題をはぐらかしたり、黙り込んだり、言い訳したりする人が多いということ。
【百鬼夜行】「朝日は誤報だー」と騒いでいた人たちが、一夜にして安倍氏から離れていく様子をどうぞ(健康になるためのブログ)
ここに登場する人たちは、この和田政宗議員のツイートに一斉に相乗りしていった。
朝日新聞さん、指摘する文書の件、まさかとは思いますが全く別の決裁文書の調書を比較し、文言が変わっていると指摘ということはないでしょうか?「売買契約の決裁文書」とは全く別の文書の「予定価格の決定の決裁文書」の調書と比較すると、朝日の指摘とほぼ合致するのですがhttps://t.co/rPoypRjfhI
— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2018年3月8日
和田さんは自分が間違っていたときに、それを認めて形式的だけどお詫びの文章も書いている。しかし、相乗りした人やこのツイートを見て「朝日は誤報を出した」と血気づいていた人はその後、言い訳、はぐらかし、論点のすり替えに走っていった。
私は、10年以上前『JANJAN』というインターネット新聞を手伝っていたとき、「左翼メディアだ」と言われていたこのネット新聞の中で、朝日新聞の批判をしていた。当時は勝谷誠彦にかなり影響されていたわけで、そんな自分の論調がバランスとれたものなのかどうなのかすらわからなかった。まあ、メディア・リテラシーは無かったですね。
朝日新聞としては、久しぶりの大スクープである。それは認めざるをえない。幾度も書いているが、安倍晋三首相の、鉄壁のような政権をつぶしてやろうと考えた勢力が、最後の勝負に出たわけだ。いま起きていることは、その視点を外すとわかりにくくなる。
と書いている。朝日新聞批判では専門家とも言えるほどの論客で、「安倍首相と直電できるしいつでも会える」と自慢している彼ですら、朝日の報道は認めざるを得ず、一度キチンと認めてから持論を展開している。
しかし、それができない人たちは、妙な言い訳に終始しているように見える。
『朝日新聞の誤報』や『パヨクの言い分』といったことばを自分の主張に盛り込んでいる人は、それを批判することが目的となってしまい、真実を見ることができない。それは安倍政権の打倒しか頭にない人たちも五十歩百歩なのかもしれないけれど、今回の朝日の報道は、「安倍政権打倒」を目標としたものだとしても、結果として大スクープになったのは間違いなく、それは認めるべきでしょう。
その点から、現時点での識者の意見を見ていると、その人たちが現実を見るときに、いかに偏っていてそれを修正できないのかが面白いようにわかる。それが惨めだとわからないのが切ないくらいだ。田崎さんなんて気の毒なくらい。
文書改竄問題はどう進んでいくのか
まだ渦中にある問題で、新しい事実が出てくるかもしれないし、新たな展開が出てくることは容易に想像できるが、いくつか気になることはある。
まず官邸は、今回の件を佐川宣寿・前財務省理財局長ひとりの責任にして幕引きさせたいわけだけど、そんな決着のし方で終わるわけはない。本気でそう考えているとしたら、安倍さんも麻生さんも、頭悪すぎるかまわりが何も見えなくなっている。前向きに考えれば、財務省改革に向けて何か始まるかもしれないが、そこまで行くかどうか。
野党内では内閣総辞職を求めながら解散総選挙を求めていくべきだという声もあるけど、昨年の選挙から半年ぐらいしか経っていない状況で、しかも選挙をやったところで政権交代はできないので、まったく現実味はない。
安倍首相が国会で「私や妻が関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と言ったのは事実だし、麻生財務大臣は今回前代未聞の不祥事を起こした省のトップであるわけで、やはり二人がのうのうと居座ることは許されないでしょう。今週末の緊急世論調査で支持率が一時的に大きく下がると、官邸はなんとか上げるために仕掛けを用意してくるだろうけど、それが通用するかどうか。北朝鮮に期待することもできないし。
検察がどう動くかにもよる。まだ何か出てくるのか。
いくつもの展開が予想される中で、やはり責任を取るべき人は責任を取るべきであり、説明しなくてはならないことは説明しなくてはならない。それは当然のこと。今までのように、言いっ放しで終わったり、はぐらかしたり、嘘を言って平然としているわけにはいかないと思いますよ、安倍首相。
まずは内閣総辞職。そして新たな首相のもとでやり直すしか無いと思うんだけど、なぜこの事態を見ながら前に進まないのか。自民党は身内なのでしょうがないとしても、本来であれば俯瞰して事実を冷静に分析すべき評論家や有識者の中で、安倍政権を守ることだけに必死になっているひとは、何でそうなっちゃっているのか。代わりなんかいくらでもいますよ。自民党はそれだけ人材が揃っているし、人間はポストに付いてから成長する。安倍さんがそうだったでしょ。