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自民党は2つある〜都政と国政をごっちゃにしてはいけない

投稿日:2017年1月11日 更新日:

この記事には驚いた。

野田氏「小池知事と連携探る」(ロイター 元記事は共同通信)

民進党の野田佳彦幹事長は9日夜のBSフジ番組で、東京都の小池百合子知事と夏の都議選で協力する可能性に関し「ありではないか。連携できる可能性を探った方がいい」と述べた。同時に「次期衆院選はいつあるか分からないが、その連携は国政にも結び付いていく可能性がある」と期待感を示した。

かといえば、こんなのも。

共産共闘に野田幹事長「握手くらいは」 「魂は売らぬ」(朝日新聞)

民進党の野田佳彦幹事長は27日、次の衆院選に向けた共産党との選挙協力について、地元・千葉県船橋市での支持者向けの会合で「握手くらいは、やらないといけない。魂を売るわけではないが、どういう協力をするかは真剣に考えていく」と理解を求めた。

蓮舫代表が野田元首相を幹事長に指名したとき、そりゃあ驚いたけれど、たぶん蓮舫さんは志半ばで退いていった野田さんに、もう一度活躍できる場を用意しようとしているのだと好意的に受け取った。今の民進党内で、衆議院で安倍首相と討論ができるのは野田さんであり、党内もまとめることができるのだ、と。

しかし、原発事故の非常事態宣言を出したまま再稼働を行い、TPP交渉を推進し、消費増税を決め、最悪のタイミングで解散に打って出て民主党を海の底に沈めてしまったのは、いまさら言うまでもないが野田元首相なのだ。思いっきり良く言えば「リアリスト」で、政治家としての資質はあるのかもしれないが、政治的センスがゼロであることは国民の多くが認識していることだ。党名を変え、蓮舫さんを代表にしても、いつまで経っても支持率が上がらないのは、このときの野田政権が国民にとってトラウマとなっていることも大きい。

都議会自民党は自民党ではない

小池都知事は都議会自民党を潰したい。これに関しては誰も異存はないでしょう。しかし、都議選において都議会自民党が惨敗すると、自民党都連は土下座して軍門に下り、巨大な小池与党が出来上がる。共産党や生活者ネットワークが是々非々で臨むとしても、数の上では圧倒的な与党が出来上がってしまうわけだ。自民党都連があまりにも頭が悪かったので、ちょっと予想がズレたけど、まあこんな感じ。

【都知事選が終わって】もう投票しなくても良いんじゃないか〜自民党は負けて勝つ

都議選後、自民党都連は多少抵抗するだろうけど、惨敗してしまったら今度はなんとか取り入ろうとするはず。

文藝春秋最新号の特集はこれだ。

「選挙に勝って東京大改革を成し遂げる」

都議会自民党への宣戦布告

特別対談 小池百合子×立花隆

実際は「都議会」の字は小さいけれど、しっかり入っている。「自民党への宣戦布告」ではなく、「都議会自民党への宣戦布告」だ。

国政と都政は、はっきりと分けている。

小池知事は、都議会自民党とは敵同士だといえるが、自民党本部とは今は何もわだかまりはない。むしろオリンピックやカジノ問題などで国と連携を取っていかなければならず、社会保障問題の改革を進めていくにも国とケンカしている訳にはいかないし、ケンカする理由がない。

※写真は『選挙ドットコム』より

【翁の妄言】国政選挙で連携する相手はどこか

さて、ここからはジジイ(翁)の妄想だ。

都議選で民進党が小池新党と連携するのはしかたない。敵は自民党都連の候補者であり、選挙後は小池都知事のもとで都政改革を行っていくわけだから、小池新党と争っても議席を減らすだけで良いことはない。むしろ積極的に協力し合えるところを模索していくべきかもしれない。

しかし、国政選挙はどうなるのか。

昨年行われた衆議院東京10区補選を思い出して欲しい。

若狭勝 75,755 自民党公認
鈴木庸介 47,141 民進党公認
吉井利光 2,824 幸福実現党公認

小池知事側近の若狭氏が自民党の公認で出て当選。民進党の鈴木氏は最初「トリプルスコアで惨敗するだろう」とまで言われていたのに善戦した。これは野党共闘で戦えたということもあるでしょう。民進党がのらりくらりとやっていたところを、市民が必死になって応援した。

これが国政選挙になり、小池新党と民進党で選挙区調整を行うことになったらどうなるのか。

仮に自民党が候補者を出して民進党が引っ込めるとすると、自民、小池(若狭)、共産の三つ巴となる可能性がある。自民党候補が勝っても、若狭氏が勝っても自民党であることには変わりない。

若狭氏が小池新党から出馬し、自民党が推薦すれば、小池(若狭)と共産の一騎打ちとなり、若狭氏は民進党と闘わずして勝てることになる。

しかし、野党共闘が実現すれば、小池(若狭)、野党統一候補との一騎打ちとなり、有権者からするとまだ選択しやすい選挙となる。これを全国の選挙区に当てはめてみると、もっとわかりやすい。郵政選挙に似た状況となる可能性が高い。

 

民進党は、共産党との選挙区調整においては、共産党が下がってくれることを期待しているけど、小池新党との選挙区調整となれば、いくつかの選挙区は自党の候補者を下げなければならない。だからといって支持率が上がるわけではない。小池新党の候補者は当選し、一見野党が増えるようにも見えるけど、日本維新の会のように、外交、安全保障やエネルギー問題のような重要法案で与党側につく可能性も十分ありえる。そのとき、民進党はどうするのか。

民進党が、共産党と政策協定を結べないというのはわかるし、党が違うんだから政策まで揃える必要はない。しかし、共産党の敵は100%自民党であるけれど、小池新党に敵はいない。全方位外交になるはずだ。それを、小池新党と国政選挙で連携しようとすると、現政権を批判的に見ている有権者は、民進党に投票して良いものか迷ってしまう。

あくまでも、自民党と都議会自民党は違うものだと考えないと、国政選挙になった途端にブレているように見えるはずだ。そこを同じように考えてしまうと、重要政策で与党に賛成する議員をわざわざ送り出してあげるというマヌケなことにもなりかねない。

わかっているとは思うけれど…

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