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政治家がSNSをやらなければならない理由とやってはいけない理由【水曜の朝、午前8時】

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最近はあまり見かけなくなったけど、「***するたったひとつの方法」とか「僕が***した理由」という表現。なんだかイラッとするんですよね。単に自分がへそ曲がりなだけかもしれないけど。「たったひとつとか3つとか、別にそうじゃないだろう。決めつけるなよ」とか「お前の理由なんか知りたくないよ」と、ひねくれてしまう。

「***を***する方法」とかは「僕は***で***した」で良いじゃん。と思ってしまうのだけど、少しでもビュー数を上げるためにタイトルで期待させようとしているのでしょうね。読んでからガッカリするほうが良くないと思うんだけどな。グノシーによくあったタイトル。最近は知らないけど。

それは置いといて。

記念すべき『ヨロンブス』第一回は無事成功

先週、告知した『ヨロンブス』第一回を行いました。ゲストは橋本岳衆議院議員。

配信に関してはいろいろと課題があったものの、ゲストの人選と話の内容に関しては、まあ及第点と言って良いんじゃないかな。自分で言うのもアレだけど、やっていて楽しかった。

自民党の議員を第一回目に呼んだということで、私の野党関係の付き合いを知る人は意外に思われたかもしれない。でも、そもそも『ヨロンブス』は所属政党は関係ないわけです。今後は、メディア関係者、企業家、社会活動家、NPO関係者、学者、そして若者など、いろいろな立場の人を呼んで、その人の「ひととなり」を掘り下げていくことを目的としているので、立ち位置は全く気にしない。

たとえば、原発賛成であろうが反対であろうが、その議論をしたいわけではなく、その人がどのような人生を歩んできて、どんな理念で、今の仕事に信念を持って取り組んでいるのかを聞きたい。表向きの主義主張よりも、その人を形成した背景を知ることのほうが大切だと考えているわけなんですね。基本は「前向きな人を応援する」というスタンス。

だから、世襲議員、そして自民党ということから、レッテルを張られやすい橋本岳という人物に実際に話を聞くことは、非常に意味があった。

災害時に効果を発揮するSNS

その岳さん。配信を行ったときには西日本が大雨に見舞われるのではないかと予想されたこともあってか、終わってからの夕飯も軽く、議員宿舎に戻って、翌日からは地元岡山と東京の往復となった。

正直なところ、今まで岳さんの活動に注目したことはネット選挙以外はなかったけれど、ちょうど今回のことがあったので、SNSで動向を追っていた。

彼は特にTwitterで迅速な動きを見せた。6月には11回程度のツイートだったのが、7月11日現在で43回ツイートしている。有意義な情報のリツイートを主として、自らの発信も行っている。

指摘を受けてからの訂正も迅速だが、そもそもそれができるということは、自分へのメンションもちゃんとわかっているということだ。

政治家はSNSをやらなければならないのか

実は2週間ほど前に、とある国会議員から「インターネットでの発信はそれほどやらなくても良いのではないか」という相談を受けた。

その時は、「確かに、インターネットに力を入れたからと言って、そのまま票になるかといえば、効果は限定的かもしれません。でも、やらなければ何も『無い』ということになりますよ」と返した。あまり「やらなくちゃいけませんよ」というと、営業しているような感じになりそうだったので若干遠慮したのだが、それでも「やらない」という選択肢は無く、「何をやるのか」という選択になるということを伝えた。

『ヨロンブス』の最後の方で、選挙でのネガティブキャンペーンへの対応について岳さんに聞いたとき、「日常的に、ちゃんとやっていることが防御にもなる」という説明があり、「なるほどな」と思った。何もやっていなければ、選挙期間中にデマを流されたり、ネット上で攻撃を受けたとしても、それに対抗するすべがない。「警察に報告すればいいじゃん」と言われても、投票日直前になると間に合わない。しかし、そのときに自分の発信チャンネルを持っていると、即座に対応できる。

見当違いのスーパー堤防に関する事業仕分け批判

たとえば、『ザ・偏向メディア』としてイイカゲンな記事を垂れ流すnetgeekが、またやらかした件。

洪水が起きるたびに見返すべき6枚の画像(netgeek)

岡山県が洪水被害で大変なことになっている今こそ、旧民主党メンバーを中心とする過去の悪事を告発しておきたい。
当時パフォーマンスのために公開でやっていた「事業仕分け」。完全な黒歴史になりつつある。

などと書いて、ネット上で拡散されているスーパー堤防の事業仕分けなどについて批判している。

スーパー堤防については「完成まで400年」と紹介されたが、実は建設途中でも機能するもの。天災を前に人間の無力さを実感させられる今となっては「もし、あのとき続けておけば…」という気持ちになる。

確かに予算と時間はかかるが、洪水被害はもっと大きくなるわけで、実はコストパフォーマンスはいい計画だったのかもしれない。

12兆円かけて完成まで400年かかる事業が無駄でなくてなんなのか。もともとスーパー堤防は、首都圏や関西の6河川(利根川、江戸川、荒川、多摩川、淀川、大和川)が対象なので、岡山や広島、愛媛などの水害は関係ない。また「建設途中でも機能する」という根拠は?
他にできることあるでしょう。しかも、記事の趣旨と関係ない自民党の務台俊介議員の写真まで掲載する始末。

務台俊介。台風10号の被災地となった岩手県岩泉町を視察した際、部下におんぶさせて水たまりを渡り、批判の声が殺到した。

ここで使われている写真のファイル名は「kouzui-minshu-5.jpg」。つまり、この記事は、務台氏のことを民主党の議員だと思っているわけだ。

こんな程度の低い記事であっても、山のように拡散されてしまうと「影響は無い」とは言い切れない。しかし、そのときにちゃんとしたネット発信手段を持っていれば、即座に対応できる。

SNSはやればいいというものではない

とはいえ、何でもかんでも発信してしまえばいいというものではない。

今回、災害が予想される中で、安倍晋三総裁や自民党幹部が参加して赤坂で宴会が行われていた「赤坂自民亭」が大きく避難の的になっているが、これは参加議員がSNSで脳天気に写真を発信したことによって火が点いた。

「赤坂自民亭」に安倍晋三首相が初参加 総裁選にらみ? 岸田文雄政調会長も飛び入り (産経ニュース)

 自民党の中堅・若手議員が閣僚や党幹部とくつろぎながら懇談する「赤坂自民亭」が5日夜、衆院赤坂議員宿舎(東京都港区)で開かれ、安倍晋三首相(党総裁)が初めてゲストとして出席した。

 会合は平成25年4月以来、今回で27回を数えるが、首相の出席は初めて。連続3選がかかる9月の総裁選に向け、幅広い支持を固める狙いがある。首相は会合後、記者団に「和気あいあいでよかった」と述べた。

7月5日の深夜に配信されたこのニュースは、自民党総裁選がらみのニュースとして緩い感じの内容になっている。しかし、この数時間後には麻原彰晃はじめオウム真理教幹部の死刑が執行され、その後には続々と全国から被災のニュースが入ってきた。

すでに災害が予想されている中で、首相はじめ、法務大臣や被災地の議員らが集まって宴会をしていたことは、今の日本政府が有事に対応できないということを示してしまった。この発端がSNSでの発信だったのだ。

普段なら特に問題にならなかった投稿が炎上してしまったわけで、やはり危機管理意識が欠如していたと言わざるを得ない。Twitterでの発信が絶賛されている岡山県総社市長のような例があるだけに、同じツールでも使い方がまずいと役に立たないばかりか、信頼を損ねる結果となってしまう。

自民党には被災地を往復し、現場の声や情報を吸い取って懸命に発信し続けている議員もいる。仮に、それらの議員が何も発信せずに、この宴会の投稿だけが発信されたとしたらどうか。「自民党の議員は皆、災害への対応が出来ない」と見られてしまう。今回はかろうじて被災地対応で評価されている自民党議員がいることは自民党にとっては不幸中の幸いだったろう。

今回は、災害時の対応から、政治家のSNS発信がいかに重要であるかということが顕著に現れたが、それでも自分のことと思えない議員や候補予定者が与野党問わずにいることは想像に難くない。

まあ、自分に返ってくるだけだから別に良いんだけど、「明日は我が身」。

特にSNSを怖いと思って逃げている野党系議員は、積極的に取り組んでいくべきだ。

 

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