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福田峰之(希望の党)緊急単独インタビュー 自民党から飛び出した本当の理由とこれからのこと

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場所:衆議院第一議員会館 福田峰之事務所内
日時:2017年9月29日午後6時

福田峰之氏とは、2013年のネット選挙運動解禁のときに知り合い、福田氏のネット番組に出演させてもらったり、ネット選挙フォーラムのシンポジウムに登壇してもらった(私は司会)。今回、自民党衆議院議員で内閣府副大臣でもあるのに、わざわざ自民党を離党して”小池新党”と言われる『希望の党』に合流したことでメディアからは好奇の目で見られ、リアルでもネットでもかなりのバッシングを受けている。私は、離党の原因とされた選挙区事情が唯一の理由なのか、単純な興味から福田氏にインタビューすることにした。それは彼自身も否定できない理由だと言ったが、それ以上に深い思いがあることも聞けた。さらに、おそらく希望の党の中で若狭氏と並んで最も小池百合子代表を知る人物として、その一端を聞くこともできた。

 

なぜわざわざ自民党を飛び出したのか〜選挙区事情だけが原因なのか?

高橋:最初に、自民党の中の人も選挙区の人も福田さんの周囲は皆さん驚かれたと思うんですけれど、なぜこの”決断”に至ったのかという、経緯と理由を聞かせてください。

福田:実は僕53になって、残された政治の人生ってもうあと12年くらいしかないんですね。65で辞めるって言ってやってますから。なにをやろうかと思ったときに、若い政治家を育てるということを最後の12年ぐらいでやりたいなと思って。これには、新党を作るとか何か大きなキッカケがないと、そこに入っていけないので、だったらちょうどベンチャー企業を作るっていう人達がいるんで、一緒にベンチャーを作ろうかなと思って。新しい政党で、本当にこれから必要とされるような新しいタイプの政治家を作っていくという仕事を、青臭くやりたくなっちゃって。それで、自民党を飛び出たということです。

高橋:副大臣内閣府副大臣になって、おそらく、これからもっと自分の仕事を、やりたいことができるというタイミングだったと思うんですけど、それが”なぜ今なのか”というのを皆さん驚かれたと思うのですが。

福田:たまたま解散が決まったことによって、新党をすぐに作るって話になったからバタバタバタとなっちゃったんで。これが解散がもし後ろだと、新党を作るのも後ろなんで、そうすると自分の整理の仕方ももうちょっと違うやり方だったのかもしれないですね。

高橋:江田(憲司)さんというかなり強いかたがいらっしゃって、その江田さんと同じ選挙区戦ってきたわけだけど、二回連続比例復活になったので、三回目がないということで、今回出たんじゃないかってことも言われていますけど。

福田:否定できない事実ですよね。もう(比例重複立候補は)ない訳ですから。状況が厳しかったということはもちろんあります。一方で、今度は自分の選挙区で出ないんですよ。全く知らないところでゼロからやるんですよね。こっち(希望の党)に来たから、当選しやすいって全くないですよ。リスクは多分同じくらい。(今までの)小選挙区で勝つのもリスクかもしれないけど、ここ(新しい選挙区)でやるんだったらまた別ですよ。今の選挙区で新しい新党でやるんなら、それなりに票はとれますよね。だけど、僕も「リセット」して、全く違うところに行ってやるというリスクは、やっぱり同じですね

高橋:江田さんも強いですけど、それでも今は自民党がかなり強くて、江田さんも民進党に合流したことによって、彼自身の評価が下がったかもしれないですよね。しかも福田さんは、内閣府の副大臣になったということで、言ってみれば、前回よりも条件としては良かった訳ですよね。今のまんま選挙区から出た方がチャンスがあったかもしれないですけど、あえて飛び出して新党に参加したというのは、さっきのお話のような思いがあって、その思いを実現する機会が今だと感じたんですか。

福田:新党ができるっていうのは、こういうチャンスしかないんで。前の選挙区でやるっていうのは、こっち(新しい選挙区)のリスクと両方とも高いので、だったら僕は、どうせならベンチャー立ち上げるリスクにかけたいなって。

小池百合子さんをどう見ているのか

高橋:ネット選挙解禁のときもそうでしたけど、自民党の中のメディア戦略チームみたいのを作ったじゃないですか、あのとき小池さんがトップで、そこにみんなが集まってやった経験がおありですけど、そのときから、小池さんとのことをよく知っていて今回も小池さんだったら行こうという感じだったんですか。

福田:僕はネットチームの主要メンバーの一人にさせてもらっていて、小池さんとは上司と部下。僕がメインでやっている水素エネルギーも会長と事務局長。あと、フィンランド議員連盟というのがあって、それも上司と部下で。熊本地震のときに、液体ミルクをフィンランドから協力してもらって熊本に届けるなんて、ずっと一緒に仕事をしてきてたんですよ。小池さんてすごく働きやすい上司で、僕のことを気にかけてくれてるし、そういうのが大前提にあったんですよね。小池さんが実は代表になるってのも知らなかったんですよ。僕が離党したときは。細野と若狭でやっていて、小池さんが後ろで支えると思って行ったら、結果的に小池さんがあとから代表になっちゃった。だけど、一緒にやっていけるし、やりやすい上司なんですよ。僕にとってはね

高橋:期せずして、新しくゼロから立ち上げようとしたところに、かつての気の合う上司がきたというようなイメージなんですかね。

福田:いやあ、代表にならなくてもサポートはするって言っていたあの時期に僕は離党しているので。後ろ側でサポートするねって言ったんですね。それでも僕はやっていきたいと思っていたし。結果的には代表になっていくプロセスですよね。偶然が重なっちゃったのかもしれないけど。

実は驚いている?

高橋:そうすると、最初は小さく始めようとしていたところが大げさになってきちゃって、しかも小沢さんは色々とやって、前原さんとかが出てきて、今リベラルから左派までおおごとにになっていますけど、どういう見方をされていますか。

福田:正直、驚いています。私が離党したときっていうのは、何人集まるんだっていう、まだそんな時期でしょ。正直、今の状況というのは、驚いているというのが直感的な感想ですね。

高橋:この数日間の動きというのは、福田さんから見ても相当激しく「なんなんだこれは」という感じなんですかね。

福田:中にいる人ですからね。今は一緒に見ながらやっていますけど、だけど、大きな動きですよね。本当に大きな動きで、私もある種キッカケを作っちゃったようなものだから、渦中の中にいますけど、すごいですね。また明日、どうなるか分からないから。

バッシングは凄まじかった

高橋:福田さんが出たということで、かなり色んな方面に衝撃をもって伝えられていると思うんですけど、派閥の中とか自民党内の元同僚からもバッシングを受けましたか。

福田:それは・・・ひとりだから。何人かいたら分散されるじゃないですか。ファーストペンギンなんですよ、僕。だから全部受けてますよ。凄まじいものがありましたね。今もそうですけど。ネットを見たって、凄い批判もあるし。

高橋:裏切り者的なことを言われていますしね。選挙区の中でも、例えば自民党内の議員が全て福田さんを応援してっていう訳でもなく、議員の中にも色々な思惑があって、統一が取れなかったという話を聞いたんですけど、そういう選挙区事情で誰が自分の味方か、誰がそうでもないかという、複雑なものもあったのかな。

福田:あまりそこではないですね。僕は毎回毎回神奈川地区では票を間違いなく増やしてきてますし、前回だって増やしてるんですね。次も積んでいったはずですよ。それよりも、新党を作るときにいて、自分のめざすような政党を作るとか人を育てるということが、二十歳で自民党にお世話になって、書生から始まって53になり、あと残り12年何をやっていくのかと考えたときの選択のほうが大きいかな。理由っていくつもあるじゃないですか。いっこだけじゃない。その理由が一番大きいかな。

東京選挙区からの出馬について

高橋:今、選挙事情ばかりが、面白おかしく取り上げられていますけど、やっぱり思いもあるということなんですね。今度、これからの話をしたいんですけど、東京から出るのはもう決まっているんですか。東京の何区から出るのも決まっているんですか。

福田:第一次公認が今週末か来週先くらいには出るんですけど、そこでハッキリするんです。

高橋:そうなると、10日が公示なので、実質1週間ちょっとしかないですよね。その中で、事務所みつけて、ポスター刷って。事務作業も相当大変になりますよね。そこら辺は、あまり心配ないんですか。

福田:まわりの人たちが一生懸命にやってくれているのですが、それは心配ですよ。僕もそれなりの後援会を持っていましたから、なにもないところで始めるって、30歳で初めて市会議員に出たときに戻っちゃった感じですね。あのときもなにもなかったから。

高橋:ほんと、真っさらな状態で、リセットで。

福田:僕自身、リセットしているの(笑)

高橋:自分自身、リセットして、ほぼ落下傘の意気込みになる訳なんですよね。

福田:もう完全にリセットですよ(笑)

高橋:今までの後援会っていうのは、おそらく、賛成してくれるかたと、それから離れていくかたといると思うんですけど、それはやっぱりそういうものですか。

福田:離党して、選挙区変える話になったときに、後援会のみなさんは「なんでそんなこと」って感じですよ。そういう人がいる一方で、「その選択でいいんじゃないか」と。「新しい政治おまえやってみろよ」と言う人ももちろんいて。まあそっちのほうが少ないですけど、両方ともいらっしゃいますね。

断食で心身を健康に保つ

高橋:新しい選挙区で、自分の戦う場所として、支援者もこれから作っていかなければいけないという12日間の戦いに向けて今準備中ということなんですね。
以前僕がお会いしたときに、断食をやっていて、相当ストイックなかただなという印象があったんですけど、断食は今でもされているんですか。

福田:やっていますよ。毎年、お盆の時期に1週間断食やっているんですね。今年も8月の半ばに。身体のコントロールは自分でするしかないので。ずっと続けていますね。

高橋:その断食をやって、身体と心をかなり鍛えていると思うんですけど、それっていうのは、今回の決断とか考え方に影響ってあるんですかね。

福田:元気だから。お陰様で身体も丈夫だし、新しいチャレンジをする状況、これって相当ハイリスクなんですよ。だけど、これをやってみようと思ったのは、自分が健康だし元気だから、これが調子悪かったら、リセットなんか言っていられないだろうみたいになるかもしれないけど。身体がついてくるから精神もついてくるので、そういう意味ではあるかもしれませんね。

インターネットの活用〜被選挙権引き下げ

高橋:もうひとつ、福田さんというとインターネットのネット選挙解禁のときに活躍されて、ネットも積極的に使われるということなんですけど、これからもそういうスタンスは変わらない?

福田:私は、この社会がITに振り切ることによって生産性が増えるとか新しい経済とかコミュニケーションツール増やすとかで、課題の解決ができると思っているので、そのスタンスは変わらない。選挙もそうだと思っているし、若い人たちに参加してもらうとか、選挙権下げましたと。私は自民党の選挙制度調査会の事務局長を最後任されていて、次は被選挙権を下げる準備をしていたんですよ。選挙権だけじゃなくて。若い人たちの話をうんと聞いて、ちょうどその準備をしていて。今、中途半端になってしまったんですけど、被選挙権も下げたいんですよね。ネットを使って選挙運動だとか投票だとかにいかないと。運動だけ解禁しても意味がないじゃないですか。

高橋:今、被選挙権25で、参議院が30かな。選挙権が18まで下がったということで、被選挙権も下げようという話が出ていますけど、そのときにまたいろいろと反対する人というのはいます?「あんまり若いとダメだろう」みたいなことを言われちゃうわけですか。

福田:自民党で僕は事務局長だったんですけど、引き下げるっていうことをとりあえず幹部の皆さんで了解をとって、あと具体的に何歳下げるかっという議論を始めたところだったんですよ。だから下げますよ。自民党は下げるし、僕がいなくなってもやると思います。今度は違う立場ですけどね。下げたほうがいいと思うんですよ、反対は結構いるんです。これはまた、小池さん的に言うと、過去のしがらみがあって、「やらないほうがいいだろう」と言うんですね。

高橋:今、その「しがらみ」という言葉がでました。小池さんの記者会見や、ビデオにも出てきましたけれど、「しがらみを断つ」とか、希望の党にいくつかの柱があると思うんですけど、それは、福田さんの理念とは共有するものとして考えられるんですか。

福田:もちろん、ここが共有できなければ、私は行かないので。私は、ずっと政策畑を自民党で歩んできているから、私にとって重要なんですよ。もちろんそれ(党の基本方針)は、合意したうえでというか、(党の仲間と)一緒に作ってきたわけだから。やっぱりその改革保守なんですね。
そこがすごく重要で、僕は特に自民党で行革とかITCやっているから、シェアリングエコノミーとかに、必ずぶつかるんですよ。昔は正しかったんですね。意味のないルールはないんですよ。「昔は正しかった」と、それを否定するつもりはないけど、今こう変わっちゃたんだから、このルールまずいでしょうと、だから変えていきませんかと。だけど、この人にしてみると、過去に自分が一生懸命必要だと思って作ったことを否定してしまうように受けちゃうわけですよ。そうすると、人によっては、しがらみとか既得権とか、「自分が頑張ってやったのに」ってあるじゃないですか。だけど、こういうのやめませんかと。今でも必要なものは残せばいいし、だめなら変えましょうよということが、まさに綱領の基本原則になっているんですね。

原発ゼロを政策として掲げられるのか

高橋:希望の党の政策がまたいくつか出てくると思うんですが、その中で今メディアも注目していることで、脱原発があるじゃないですか。福田さんは今まで、原発賛成の立場だったと思うんですけど、そこは考え方が変わるということはあるのですか。

福田:僕は基本的に原発ゼロの人だから原点は水素エネルギー。小池さんとやってましたけど、原発もよくないよねと。じゃあ今なにが起こっているかといえば、火力になっているわけでしょ。これはCO2を発生しているわけだし、放射能はだめだけどCO2はいいよねという理屈はないよね。だから「水素エネルギーの社会を作っていこう」ということをずっと言っていて、原発を明日無くすというのは現実的ではないから、水素エネルギーとかを作ってゼロにしていくっていうことをずっと掲げてきている。今回、希望の党はゼロといいますから。ゼロにするためのロードマップを作る、ということを言っているので、これが重要だと思うんですよ。いつまでにやめていく(という目標を立てる)。その代わり、例えば水素エネルギーだとか、再生可能エネルギーで、この置き換えをどうやっていくんだということ。さすがに自民党は原発ゼロとは言えなかったんで、(今は)全然OK。逆にこっちのほうがいい。スッキリしました。

・・・・・

最初は自民党離党から希望の党に移った真相を聞こうと思っていたのだが、話は止まらず、一時間近くに及んでしまった。この時期にマスコミではないインタビューということで、事務所スタッフはヒヤヒヤしていたのではないだろうか。2回以上比例復活となったら3回目は無いという自民党内の決まりに、当事者として大きな違和感を感じていたところ、自分の思いを実現するチャンスが突如訪れて、新たなチャンスに賭けた高揚感がひしひしと感じ取れた。

話は、組織論から新たに合流する民進党議員への思いにまで進んだが、このインタビューはここまでとしておく。行動を起こしていくには、眠れなくなるほどの不安と希望が入り混じっているはずだ。10月22日の結果を受けて、彼は何を思うのか。選挙後にもう一度会ったとき、彼はどのような表情で思いを語ってくれるだろうか。

衆議院議員選挙:10月10日公示、10月22日投開票

 


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