勝谷誠彦 選挙

勝谷誠彦の兵庫県知事選挙 その3 インターネット戦略

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しばらくボーッとしたいところではありますが、残務作業が終わらず、休むにも休めないし、「なんだかなあ」の生活となっております。

インターネット戦略は最も力を入れたかったところ。ところが、私が事務方の中心になってしまったので、当初考えていた6割くらいしかできませんでした。しかし、思ってもいなかった成果もありました。

まず、インターネット戦略とは大きく分けて2つあります。

候補者のプロモーション

有権者とのネットワーク作りも入ります。

ウェブサイトの立ち上げはもちろん、SNSでの情報発信など。今回、ウェブサイトは特設サイトを立ち上げて、Twitterも新たにアカウントを取得(今まではスタッフ用のみ)。FacebookページInstagramは今までのものを継続させ、新たにLINE@を立ち上げました。

まず、選挙では『勝谷誠彦の××な日々。』の読者が大きな力になってくれるであろうことを期待し、それまでの公式サイトとは別に、選挙用のサイトを立ち上げました。『勝谷誠彦の××な日々。』は、1999年から続いていて今まで一日も休んだことのない勝谷誠彦の日記。当初は「さるさる日記」というウェブ上の日記サービスを使用して毎日1000字(さるさる日記の仕様)の日記を朝10時までに投稿していました。

2007年の元旦から、有料メール配信(メルマガとは言わない)となり、文章はどんどん長くなっていき、とうとう5000字になりました。この5000字というのは、auのezwebで配信できる制限が5000字までだったため。原稿用紙12枚半。さすがに毎朝出すメールとしては、出す方も読む方もそれが限界だろうということもありました。このメールの読者は全国にいて、今回ボランティアに駆けつけてくれたのも、寄付してくれたのも、この読者の方々の力がかなり大きかったのです。

あらゆるプラットフォームから洪水のように情報を流していこうとしていましたが実態は乏しく、当初Twitterは私が写真を投稿するだけで、FacebookはマネージャーのT−1君が写真を投稿するという状況。動画はフリーのメディアや勝手連的な協力者に依存していました。InstagramはTwitterに投稿された写真を、東京のスタッフに転載してもらうだけ。LINE@においては、後述する理由でスタートができない状況でした。

最初の頃は、呼びかけてもなかなか手伝ってくれる人が出てこなかったのですが、告示が近づいてきてから徐々に手伝ってくれる人が入ってきてくれて、告示前にはなんとか「デジタル・ボランティア・チーム」(通称デジボ)と呼べるようになりました。

「ネットでの発信が弱い」と何度も指摘を受けたけど、正直言って「だったらあなたがやってくださいよ」と泣きたい気持ちでした。こっちから指示を出す余裕がないので、勝手に写真を撮って勝手にアップして、それを報告してもらえればリンクしていけたのに、その動きがなかなか起きない。

それでも、徐々にコンテンツも充実してきて、告示からの2週間くらいは、そこそこ発信できたと思います。それでも、もっと勝谷自身が語りかける動画、有権者とのコミュニケーション、ネット番組の『血気酒会』特別版や独自企画をやりたかった。特にネット番組は、告示日以降毎晩やるつもりで、東京からわざわざ車いっぱいに機材を積んできたのに、結局その機材を使ったのは倉山満さんが応援に駆けつけてくれた一回のみ。私に全く余裕が無かった。倉山さんとの話が盛り上がっただけに、その後続かなかったのは残念でした。

LINE@は、T-1君のスマホで取得したアカウントだと、どうしても思うようにPCで外部からコントロールできなかったために、リスクを承知で新たにアカウントを登録しました。そして、こちらは専任のスタッフをつけて、最初の頃はコメントにはほとんど返事を出し、オリジナルのスタンプらしきものも作って配信したところ、3日間ほどで500人を超える登録があり、選挙が終わってからもしばらくは増えていきました。もっと早くから始めていれば、効果はかなりあったでしょう。

ネットをツールとして活用する

2000年の長野県知事選挙では、メーリングリストが県内の勝手連のネットワークとなり、24時間バーチャル選対のような働きをしていましたが、最近はボランティア型選挙が主流になってきたからか、県内に勝手連が立ち上がらず、三宮の事務所がボランティアセンターのような位置づけになりました。

今後、長野県知事選挙のようなものを「勝手連ネットワーク型」と呼び、今回の兵庫県知事選のようなものを「ボランティアセンター型」と呼ぶことにします。

勝手連ネットワーク型は、勝手連ごとの温度差はあるものの、全県をカバーしてそれぞれが自由に動けるメリットがあります。ボランティアセンター型は、統制はとれるものの、チームリーダーがいて指示を出せる仕組みになっていないと、いきなり詰まって止まってしまう。ボランティア登録をしてもらうと、登録した人は当然何か指示が来ると思って待っています。登録者には一斉にメールで連絡できる仕組みになっていたにもかかわらず、私しかメールを出せなかったので、下手すると一週間何もないという状況になってしまいました。

それでもポスターは貼らなければならないわけで、自発的にポスター貼りの仕組みを作って運営までしてくれるボランティアスタッフが現れてくれました。これはとても助かった。彼らがいなかったら、おそらくポスターは告示後一週間経っても、半分ぐらいしか貼れなかったか、すべてを業者にお願いするしかなかったでしょう。

さらに、全国から来てくれるポスター貼りボランティアの方々が、グーグルマップで場所を探せるように、紙に印刷された住所をなんとかデジタルマップ化できないかと呼びかけたところ、数人の協力者が応募してくれて、以下の手順でデジタルマップ化を実現させました。これが後の「デジタル・ボランティア」となりました。

  1. 紙の資料をスキャナで読み込んでPDF化する
  2. PDFファイルをOCRソフトに通す→スプレッドシート
  3. ソフトの認識ミスをPDFファイルと比べながら訂正する
  4. グーグルマップ上にピンを打つ

実際にできたのがこれ。

ポスター大作戦

こんな感じで表示されます。

訂正作業は、全国から10人以上の方が参加してくれました。

このデジタルマップは、正確な位置にピンを立てられたところは役に立ったようですが、もともとが正確でないものはズレてしまったり、利用方法(ひとりでまわるか、ふたりか)やスマホを持っているかどうかでも、効果があったところとそうでないところが出ました。もっと早くから正確な位置情報がわかっていたら、さらに効果はあったでしょう。

さらにこれを応用して期日前投票所のマップも作成しました。

期日前投票所マップ

こんな感じ

こちらは、ピンを勝谷の顔にすることを思いつき、何パターンか作ってもらってその中から一つを選びました。

ネット活用は得票につながるのか

よく「インターネットで票が取れるのか」ということを言われます。実際、今回の候補者の中でもダントツの発信量だった勝谷陣営はどうだったのでしょうか。

実際は、ネットは得票数の2割程度に影響することができると考えられます。たとえば、首長選挙で一騎打ちとなり、追う方の差が10ポイント程度だったら、ネットを頑張れば逆転できるでしょう。

しかし、それにはいくつかの条件が必要になります。

  1. ターゲットとする層に確実に届ける(発信しても届かなければ意味がない)
  2. 候補者のイメージをアップさせる(実体と離れるのではなく、本人が持つ良さを引き出して伝える)
  3. 有権者に当事者意識を持たせる(「自分が応援しなければ」と思わせる)

今回、確実にメッセージを届けなければならない層は、18〜20代、40代と50代の女性、70以上の老世代でした。70代以上はリアルな活動や空中戦にまかせるとして、若年層と女性はネットとの親和性も高く、まさに力を入れるべきところでした。

しかし、勝谷誠彦のイメージを高める情報が届けられたかというと疑問が残ります。勝谷にはコアなファンが多くいますが、それは彼のコメントの切れ味の良さや、権力にも物怖じせずに発言していく姿勢が好きなのでしょう。多くの経験や知識もあります。しかし、多くの県民は知事に対して「安心感」や「実行力」を求めます。一ヶ月程度で、その有権者に「知事候補」としての勝谷を伝えることはできたのか。ところが、あまり柔和な雰囲気を伝えてしまうと、元来のファンが離れてしまう。これは困りました。

有権者が当事者意識を持ち、「勝谷を知事にさせなければ」と思ってもらうためには、時間が必要でした。問い合わせや疑問に対してこまめにフォローしながら、県政の争点を作っていかなければなりません。今回は争点が「多選」ぐらいしか無かったので、ネット(特にTwitter)では、「辻元や小沢の応援を受けるのか?」「なぜ有田芳生の為書きがあるのか」などと、小さな問題が繰り返し話題になっていました。政策的なことでも「朝鮮学校の補助金をどうするのか」といった質問が最も多く投げかけられていました。463万人の有権者に対して、テーマ設定ができなかったわけです。そのため、短期間で当事者意識を持ってもらうことができませんでした。

「ネット戦略」といっても、結局はリアルな活動と結びつかなければ意味がなく、バランスを崩してもダメです。今回、新しい試みも行われて、将来的な可能性もいくつか見えたけれど、阪神間と県北の地理や県民性の差、世代間の差などを考えたとき、兵庫県はあまりにも広く、多様な県民性を持っていて、アプローチが難しかったのかもしれません。

 


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