ネット選挙 政治・行政

インターネットと選挙(1)公選法に記載されていない現状とは

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「ザ・選挙」休止に伴い、以前掲載した記事をここに移しておきます。

「選挙期間中はインターネットによる選挙運動ができない」

2006/07/11掲載

現状はこれがすべてである。しかし、インターネットにはいろいろなコンポーネントがあり、「選挙運動」の定義もはっきりしない上に、公職選挙法(公選法)に記載されていないがためにできることとできないことがあるので、選挙のたびに混乱が発生する。

まず、公選法の規定では、インターネットであろうと何であろうと、告示・公示前は「政治活動」しかできず「選挙運動」をやってはいけない。ある選挙に立候補を予定している人物の氏名と対象となる選挙名を明らかにして、投票依頼を行うのが選挙運動であり、これを告示・公示日前に行うと公選法違反となる。

つまり、「インターネット選挙」というものは本来あり得ないのだが、現状は選挙期間中でもしっかりとインターネットが利用されている。では、実際にはどのような活動が行われているのだろうか?

1)候補者公式サイト

ほとんどはウェブ作成業者か選挙スタッフ、もしくは知り合いに作成してもらうようだ。最近はブログと併設するケースも多い。プロフィールや政策などは公式サイトで作っておいて、ブログで日々の活動報告を行うスタイルが徐々に増えているが、公式サイトにブログ機能を持たせたシステムも存在する。

サイト上で告示・公示前に選挙名と投票依頼をすると公選法違反となるので、告示・公示前にプロフィールや理念・政策などを入力し、ほぼ完成させておいて、選挙期間中はそのまま掲示しておくことになる。ブログや掲示板は告示・公示日に更新を止め、書き込みもできなくする必要がある。

ただし、音声は選挙期間中も更新可能だが、映像の更新はダメだとされている。

2)メール関連

選挙期間中、スタッフ間のメールのやりとりはもちろん許されるが、不特定の相手に対して投票依頼を行ってはならない。スタッフ間のメールはメーリング・リストが最も有効な方法であり、毎日バーチャルな作戦会議を行うことが可能となる。

3)有権者側のサイト・ブログ

勝手連的に政治活動を支援するのは構わない。選挙期間中も、選挙スタッフでなければ個人の表現の範囲内で選挙について語り、特定候補者を持ち上げることは問題ないし、よく行われている。

しかし、「インターネット勝手連」的なチームを組織し、第三者を装ってブログやサイトを立ち上げ、応援メッセージを発信することは可能であり、実際に「第三者」でありながら、候補者のトップページから大きなバナーでリンクを貼られるケースも見られる。
匿名掲示板は、実質的野放し状態であり、誹謗中傷の類の発言が選挙期間中も頻繁に見られる。このため、個人のブログやサイトでは、かなり極端な応援や非難を行っても、今はそれが選挙違反につながったり、投票結果に大きく作用することは無い。

注意しなければならないのは、公選法で禁止されている「人気投票の禁止」で、これはネットでも当てはまる。サイト上でアンケート企画として擬似投票を行うことは、公選法違反になる恐れがかなり高い。

4)効果はどうなのか?

実際、公式サイトが充実しているからといって当選するということは無い。しかし、日ごろの活動をネットで確実に配信していくことにより、相乗効果が期待できるようになってきた。候補者の活動を特定の有権者にしか知らせることができなかった時代から、ネットを通じて不特定多数の有権者にアピールできる時代に確実に移行してきており、対象となる不特定多数の数も明らかに増えてきている。

候補者サイトのアクセス数を見ていくと、ほとんどが告示・公示前から徐々に増えだし、告示・公示日に小さなピークを迎える。その後は更新の無いサイトながらアクセス数が普段よりも多い状態が続き、投票日前日にピンと上がって投票日にピークを向かえる。投票翌日も多く、2日目からガクっと下がる。

この傾向は年々顕著になってきている。つまり、有権者が投票の指標として候補者サイトを重視する傾向が強くなってきていると言えるのだ。そうであれば、投票日前日や当日に有権者がサイトを見たとき、その候補者の魅力が過去・現在・未来に渡って分かりやすく伝えられていなければならない。

今後は、候補者の生の姿、考え方や実績等が、いかに分かりやすく伝えられるか、がサイトの重要なポイントとなる。

そして、さらに大事なのは、有権者が候補者を比較できるようになることだ。これに関しては「その3」で解説する。


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